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看书神 > 其他类型 > 阴阳师红莲华冕、天魔归来活动剧情中日双语 > 第59章 终焉之章 ⑧審判

六つの陣眼の制圧を終え、一行はヤマタノロチのいる場所へと急いだ。

仪式的六个阵眼都压制成功后,众势力纷纷赶往八岐大蛇所在的位置。

【黒晴明】

「あれが帝釈天が言っていた、ヤマタノロチの審判場か。」

那就是帝释天所说的,八岐大蛇审判场的位置吗。

禁じられし地の奥深く、山頂の密林にある廟の上空では、巨大な嵐の目のように雲が渦巻いている。太陽と月の輝きも、ここでは色を失う。まるで何かを恐れるかのように、奇妙な中心部の周りを旋回しながら、近づこうとしない。ここは絶対的な「虚空」であり、不吉な災いの降臨を予感させる。そしてこの絶対的な「虚空」の中には、壊れた鏡が浮いている。

在禁地深处,隐藏在山顶密林族庙之上的空中,是如同巨大暴风眼般的风云漩涡。日月的光辉在这里共同失色,如同惧怕着什么一般围绕着这诡异的中心旋转却不肯接近。这里是一片绝对的「虚空」,仿佛不祥的灾祸即将从中降临。然而这片绝对的「虚空」之中,却漂浮着一面破碎的镜子。

【黒晴明】

「あれは……雲外鏡か?」

那是……云外镜?

雲外鏡の欠片がいくつか空中に浮かんでいる。各欠片には、厳島、永生の海、天域などの景色が映し出されている。また同時に、各地の住民たちがその中で奔走し、笑い、生活している様子を見ることができる。欠片は異なる景色を映しながら旋回し、それぞれが徐々に近づいていく。最後には空中で一つに合わさった。重なり合ったその瞬間、鏡に映った各地の光景は、壮大な戦場の景色へと変わった。人間、鬼族、人魚、天人。誰もが残忍な戦いの中に身を投じていた。まるで、国境を接していない地域が一つの巨大な戦場となったかのように、ありとあらゆる種族が鏡の中で前代未聞の戦いを繰り広げている。欠片が合わさって出来た白鏡の下に座すのは、黒鏡であった。

数块云外镜的碎片在空中漂浮,碎片中各自映出严岛、永生之海、天域等地的景色。同时也映照出各地的住人们在其中奔走、谈笑、生活的样貌。碎片一边映照着不同的景象,一边旋转,彼此的边沿逐渐拼接起来,终于在空中拼合在了一起。然而在破镜重圆的那一瞬,镜中各地的景象均化为了壮阔的战场。人类,鬼族,人鱼,天人们无一不置身于残忍的交战之中。仿佛互不接壤的地域也合为一体般化为巨大的战场,所有的种族都兵戎相向,投身于镜中这场史无前例的大战。在由碎片拼凑而成的白镜下方端坐着的,正是黑镜。

【ロチ】

「全ての命を救おうと思っていたのに、全ての命が殺しあう惨劇を招いてしまったことを、お前はどう思う?」

本是想拯救众生,反倒却成为了毁灭众生的帮凶,你觉得如何?

【黒晴明】

「白鏡が都を汚染し、我々の手の中で壊れ、また我々が欠片を持って各地に赴き浄化するように仕向けたのも、罪を集めるためだったのか?」

使白镜污染京都,碎裂在我们手中,又引导我们将碎片带去各地净化,就是为了收集众生的罪孽吗?

【ロチ】

「白鏡は万物の罪を忠実に記録し、正確に投影しているだけだ。」

不过是白镜忠实地记录下众生的罪行,并如实地投射出来罢了。

鏡に映る戦いでは、主人公が俗世の人々から晴明へと変わり、人々が六つの陣で蛇魔を虐殺する姿が白鏡によって再現された。無数の蛇魔との戦いが終わった時、黒晴明の身体は血で赤く染まっていた。しかし冷酷な彼は、まるで何も気にならないかのように、辺り一面に散らばる死体を踏みつけて進んでいった。

镜中映出的大战,主角从世人变为晴明等人,众人在六处阵法处与蛇魔屠戮的身影被白镜一一再现了出来。与众多蛇魔战斗结束的黑晴明浑身染红,然而他依旧冷酷非凡,仿佛置身事外般地踩在满地的遗骸上前行。

【黒晴明】

「悪趣味だな。」

恶趣味。

【ロチ】

「まぁそう言うな。太古より審判とは公平公正であり、罪の記録は詳細であればあるほどいい。その方が人々も納得するだろう?」

别这么说,自古以来审判能够公平公正,罪行的记录,自然是要越详细越好,结果才能使人信服不是吗?

【黒晴明】

「我々が貴様の計画を邪魔したから、貴様は我々を裁くのか?」

你要审判我们吗,因为我们阻挠了你的计划?

【ロチ】

「それは違うな。この審判はお前達なしでは実現しなかった。私はお前達には感謝の気持ちしかない。お前達は大罪人としてこの審判に名を連ねているが、感謝の意を表して、お前達を最高の観覧席に招待しよう。さて、ようやく私からお礼を贈る時が来たようだ。黒鏡。」

不,这场审判若没有你们根本就无从谈起,我对诸位只有满心感激。故而你们虽在审判的大罪人之列,我却将你带来这最高等的观席之上,以表谢意。现在,终于轮到我向诸位献上谢礼的时候了。黑镜。

【雲外鏡·陰】

「……」

黒鏡が空に浮かび、人形から鏡へと変化した。鏡面が白鏡とは異なる方向に向く。鏡には巨大な審判場が映し出された。さらに一回転すると、鏡面に太陽と月の残光が映り、ヤマタノロチの足元に反射した。残光が地面を照らすと、巨大な建築物が土の中から現れた。元々あった廟は倒れ、山と大地は崩壊した。金色の支柱がヤマタノロチの足元から飛び出し、ヤマタノロチを雲の端まで運んだ。嵐の目の真っ黒な中心には、やはり巨大な天秤があった。同時に天秤の周りの地面から観客席が飛び出した。銀灰色の壁からは高天原の厳かさが伝わってくる。ヤマタノロチの約束通り、黒晴明の席は最高位の神族に与えられる観客席であった。蛇神は自らの手で作った傑作を眺めながら、天秤の真ん中の審判席に座った。そこからは審判場全体を眼下に収めることができる。その下には黒晴明の座っている場所があった。

黑镜升入空中,由人形化为镜,镜面转向与白镜不同的方向。镜中映出一座巨大的审判场,再一转,镜面接收了日月的残光,反射至八岐大蛇的脚下。残光所照耀的地面上,巨大的建筑破土而出,使原本的族庙倒塌,山林土地崩裂。金色的支架从八岐大蛇的脚下升起,将八岐大蛇送入云端,立于暴风眼漆黑的正中心的,竟是一座巨大的天平。与此同时,天平四周的地面升起观客的席位,银灰色的墙面透露着属于高天原的庄严肃穆。而正如八岐大蛇所承诺的那般,黑晴明所在的席位正是最高阶神族的观客席。蛇神扫视了一下自己的杰作,最终坐在了天平正中的审判席上,从他所在之处可将整个审判场收入眼底,而在他下方正是黑晴明的所在。

【ロチ】

「どうだ、気に入ったか?」

这谢礼,你可满意?

黒晴明が答えようとすると、雪女が彼の前に飛び出して、邪神をにらみつけた。その手から氷晶が放たれようとしたまさにその時、目の前に降り立った大天狗が雪女を止めた。

黑晴明正欲回答,雪女却先一步挡在了他的身前,抬起头来直视邪神的双目。她手中凝结了冰晶即将射出,然而大天狗降落在她的身前,一手拦住了雪女。

【大天狗】

「やめておけ。」

别轻举妄动。

三本の矢が三人の後ろから飛んできて、一本は真っすぐ天秤の上にいる蛇神に向かっていったが、軽く躱されてしまった。残りの二本は黒晴明と雪女の足元に隠れていた蛇魔を貫いた。源博雅が手に長弓を持ち、林の中から飛び出して三人の前に立った。

诛邪箭从三人身后划破长空,一支径直朝着天平之上的蛇神而去,却被轻易躲过。另外两支射穿了隐藏在黑晴明和雪女脚边蓄势待发的蛇魔。源博雅手执长弓,从林中跳出,站在了三人身前。

【源博雅】

「流石は邪神だ、ほんの一瞬も警戒を緩めないとはな。それならば、俺はお前に対して一騎打ちで戦う義理を通す必要もない!」

不愧是邪神,真是一刻也不能放松警惕。既然如此,我看跟你也就不必遵守什么单打独斗的道义了!

そういうと、天馬と鬼船に乗った帝釈天と鈴鹿御前がそれぞれ審判場に降り立った。

话毕,驾驭天马和鬼船的帝释天和铃鹿御前也分别降落在了审判场上。

【鈴鹿御前】

「これは一体?陣眼を鎮圧したら、儀式は止まるはずでは?」

这到底是?镇压了阵眼,仪式不应该终止了吗。

【黒晴明】

「黒鏡の仕業だ。おそらく元々どこかに存在していた建築物が現世に投影されたのだろう。」

是黑镜所为,恐怕是将原本存在的某处建筑投影到了现世。

【帝釈天】

「これはまさに、私が幻境で見た審判場だ。審判場を現世に持ってくること、それがヤマタノロチが長い間温めていた計画なのか。恐らく彼自身がこの地と深いつながりがあるのだろう。」

这就是我在幻境中所看到的审判场。将审判场带来现世是八岐大蛇蓄谋已久的计划,恐怕他自身和这个地方颇有渊源。

朧車に乗った玉藻前一行と御饌津達も続けざまに到着した。

乘坐胧车的玉藻前一行和御馔津等人也紧随其后赶到。

【御饌津】

「……ここは、高天原に記載のあった、数千年前にヤマタノロチを筆頭とする罪深き神を処刑する為に作られた場所。処刑の神、須佐之男もここで姿を消した。今はもう存在しているはずのない場所なのに……」

……这里,是高天原记载中,数千年前曾为处刑八岐大蛇为首的罪神而建的刑神场。也是处刑之神须佐之男当年消失的地方,如今应该已不复存在了才对……

【鈴彦姫】

「これほどの計画、単なる復讐ではなさそうだ。一体どんな目的が?」

如此大手笔,当真不像是单纯的复仇,究竟是有何目的。

【蝉氷雪女】

「彼は一体、誰を裁こうと?」

那他,到底是想审判谁?

それぞれが議論をする中、縁結神は最初から最後まで頭を抱えて考え込んでいた。

在众人的谈论中只有缘结神从头到尾都在一旁抱头默念着什么。

【縁結神】

「まさかあれが……?!」

难道是那个要来了吗!

【ロチ】

「おっと、忘れていた。この審判場には、あるものが足りない。」

我怎么忘了呢,这审判场上,还缺少一样东西。

そう言い終える前に、遠くの空から五つの輝く流れ星が突然現れ、閃光のような速さで処刑場の方向へと飛んできた。

话音未落,远方的空中突然出现了五颗明亮的流星,如同闪电一般飞速朝着刑场的方向飞来。

【小白】

「縁結神様、早くあれが何か教えてください!縁結神様の様子を見ていると、小白もすごく不安になります!」

缘结神大人你倒是快说那是什么啊!小白看你这样都着急得不行了!

【縁結神】

「あれが何かじゃと!あれは全ての神が恐れた、伝説の神殺しの武器じゃ。高天原の神々は皆、幼い頃から聞かされてきた。たった一振りで神を滅することができるという……」

还能是什么!不就是传闻中所有神都最怕的弑神凶器,高天原众神从小听到大的恐怖故事,只是随便一挥就会让神明神形俱灭的——

五つの流星が互いに入り乱れながら、嵐の目の中心に入り込み、神々の処刑場の方向へとてつもない速度で飛来した。その後ろでは、夜のような幻境がまるで流星を追いかけるかのように、空から大地へと浸蝕を始めていた。流星が処刑場に入り込んだその瞬間、潮水のように暗黒が大地を包み込み、世界中を埋め尽くした。五つの金色の光が、ほとばしる雷のように皆に向かって襲い掛かった。

五颗流星互相环绕着冲入暴风眼的正中,然后朝着刑神场的方向以极快的速度冲了下来。在其身后,夜幕般的幻境如同追逐着流星一般随着它们自空中向大地侵蚀,直到流星撞向刑神场的一瞬,潮水般的黑暗包裹了天地,席卷了整个世界。五道金色的光芒如同迅捷的雷电一般朝着众人的方向袭来。

【煉獄茨木童子】

「地獄の手!」

地狱鬼手!

その時、朧車に乗った鬼王一行が空から現れ、神器の落下によって広がった光を遮った。

就在此时,乘着胧车突然赶到的鬼王一行人从天而降,出手挡住了神器落地所溅射的光芒。

【煉獄茨木童子】

「おい、お前の神形は消滅したか?」

喂,小丫头,你神形俱灭了吗?

【縁結神】

「消滅してはおらぬ!」

没、没有!

光が霧散すると、天秤の周りに浮かぶ五本の剣の形をした神器が処刑場の五つの角に現れた。

光芒散去,五柄剑形的神器出现在了刑场的五个角落,漂浮在天平的四周。

【鬼切】

「これはまさか……」

这难道就是……

【源頼光】

「伝説の神器、天羽々斬か。かつて自らを処刑した神器を、未だ手元に持っておき操るとは、何という度胸だ。」

传闻中的神器天羽羽斩。竟然这般操纵曾处决过自己的神器,还放在身边,也算是有胆识了。

処刑場の周囲から突然妖火が立ち昇り、審判場から抜け出そうとする人々を阻む障害となった。火の中には酒呑童子の姿が見える。

刑神场的周围突然升起妖火,火焰化为屏障隔断了审判场的内外进出,火焰中出现了酒吞童子的身影。

【鬼王酒呑童子】

「ようやく会えたな、ヤマタノロチ。今日は人が少し多いが、皆部外者ではない。お前の被害者達だ。俺はこの審判場を妖火で外部と断絶させた。だからお前が蛇魔を召喚しようとしても、無傷では入ってこれない。たとえここを出られても、鬼兵部がお前を待っている。ゆっくり話をしようじゃねえか。」

终于见面了八岐大蛇,虽说今日人多了一点,可在场的不是外人,都是你的苦主。我已用妖火隔断了这个审判场,所以就算是你召唤的蛇魔,也不能毫发无损地进入这里。即使出去了,外面还有一圈鬼兵部等着你,这下子,我们可得和你好好聊聊。

【ロチ】

「私と何を話すつもりだ?」

不知鬼王是想聊些什么?

【鬼王酒呑童子】

「こんな刑具を用意して、お前は誰を処刑するつもりだ?」

召来这些刑具,你是想处刑何人?

【ロチ】

「誰を処刑する?私はこの処刑場を建てても、この神器を作ってもいないし、裁決の規則を定めてもいない。それなのになぜ私が誰を処刑することになるのだ?鬼王よ、この世の命というものは、舞い散る桜の花びらのようなものだ。万物には夜桜のような美しさがある。それは何度見ても、私を驚嘆させる。そしてそれを讃嘆しようとする時、同時にその花びらの脆弱さを恐れ、声をひそめるのだ。桜の花は脆く、私が少し息を吐くだけで散ってしまう。しかし桜の花は私を感動させる。私も息を漏らさずにはいられない。私がどうしても讃嘆してしまうのは、神の慈悲の証明だ。私は命の美しさに魅せられてしまう故、万物の全ての罪を甘んじて受け入れるのだ。桜の木の下に死者が埋まっているのであれば、私はその死者の骨をも愛でる。もし世の人々が罪人になれば、私はその罪をも愛でるのだ。しかし彼女はそれ許容しない。神は罪を、罪を犯した命を赦すことはできないのだと彼女は言う。自らを最も罪のない者だと言う彼女は、自らの神格を使って罪神の悪行を裁くことにした。しかしお前達の今の様子を見ていると、千年前の自分を思い出さずにはいられない。 あの時の私も、この処刑場で、天秤の上の審判者に問いを投げかけた。私はこう尋ねた。これは全て公平に行われているのか、それとも世の中の万物が裁かれる運命にあるのか、と。すると彼女はこう答えた。もしこの天秤の上で有罪となれば、お前は許されざる罪人だが、世の人々は無罪だと。そうして私は、彼女の独断専行がもたらした結果を見せてやろうと決めたのだ。天羽々斬を高天原の地面に突き刺すと、高天原の半分は墜落し、多くの神族が人間界に堕ちた……」

处刑何人?我既没有建这刑场,也没有铸造这神器,更没有制定裁决的规则,如何能说是我要处刑何人。鬼王啊,这世间的生命在我看来如同落樱。万物如夜樱般悄然绽放的美景,无论目睹多少次,都使我惊叹,然而想要赞叹之时,却又怕惊动了那脆弱的花瓣而轻声细语。樱花脆弱,只我一吐吸间就会坠落,但樱花之动人,竟然让我甘愿为之屏息噤声。我将这甘愿当作是赞叹,是神之慈悲的证明,当我被生命的美景所魅惑,故甘愿接受万物的一切罪责。若樱树下埋有枯骨,我就要赞美那枯骨,若世人化为了罪人,我就要赞美那罪行。但她却毫不动容,她说,神不能原谅那吸食罪孽,犯下罪行的生命。她自称是世间最无罪之人,决心用自己的神格衡量罪神的恶行。而看到你们如今的样子,真是让我想起了千年前的自己。当年的我,也是这样站在这刑场上,质问天平顶端的审判者。我问道,这所为当真是公平的论断,还是将世间万物都置于被审判的境地。她却答道,若在这天平之上论罪,你罪无可赦,但世人定会无罪。于是我决心让她看到一意孤行的结果,天羽羽斩挥向高天原的土地,高天原一半陨落,成百上千的神族坠入人间——

【鈴彦姫】

「あんたの言う「彼女」って?」

你口中的「她」难道是?

【ロチ】

「真実を知りたいか?」

想要知道真相吗?

【御饌津】

「私達があなたの前に出てきたのは、真相を知るためよ。」

我们今日来到你的面前,就是为了真相。

【ロチ】

「ならば教えてやろう。この因果の始まりは一体どのようなものだったのか……」

既然如此,我就将真相赐于你们,这因果连锁的开端,究竟是怎样的风景——

ヤマタノロチの神力によって、処刑場に当時の幻影が浮かび上がった。空の観客席に、辺りを埋め尽くすほどのたくさんの高天原の神々が現れた。ヤマタノロチは、罪人のいるべき場所に囚われていた。

在八岐大蛇的神力驱动下,刑场中浮现出当年的幻像,空旷的观席上顿时坐满了成百上千高天原众神。而八岐大蛇则被禁锢于罪人之位上。

【高天原の神官】

「蛇神が私的に邪神を放ち、人の世に害を与え、高天原を陥れようとしたことについて、神王様に裁きを求めます。」

蛇神私自放出恶神,为害人间,谋逆于高天原,罪恶滔天,今日在众神前问罪,恳请神王裁决。

厳粛な声が天秤の上の審判席から伝わって来た。その声は非常に厳格で、人を畏怖させるほど冷酷だった。その輪郭は光に包まれていて、顔を上げて直視するだけで、その輝きに焼かれるようだった。

一个充满威严的声音自天平顶端的审判席上传来,其中的庄严和冷酷令人心生畏惧。其轮廓被光辉所笼罩,只是抬头直视,就几乎要被光辉灼伤。

【天照】

「審判を始める。」

开启审判。

天照の神格を象徴する八咫鏡が天秤の片側から降下し、罪を測る基準となった。同時にヤマタノロチの神格が取り出され、天秤のもう片方に置かれた。善悪を測る天秤の、ヤマタノロチの神格を乗せた方が重く沈み込み、その罪の重さを示した。観客席の神々は驚きを隠せず、あちこちから驚嘆の声が聞こえた。誰も目の前の光景を信じられないようだった。あちこちから聞こえる驚嘆の声を打ち破ったのは、ヤマタノロチの笑い声だった。

象征天照神格的八咫镜降下在天平的一侧,作为衡量罪行的标准。与此同时八岐大蛇的神格也被取出,置于天平的另一侧。善恶相抵后,八岐大蛇神格的一侧重重地沉了下去,其罪行之深重空前绝后,令观席上的众神震惊不已,惊叹之声此起彼伏,仿佛无人敢相信眼前的所见。然而打破这此起彼伏的惊叹声的,正是八岐大蛇的笑声。

【神堕ロチ】

「ははは……」

哈哈哈……

【高天原の神官】

「邪神め!天照様の御前で無礼であるぞ!」

邪神!不得在天照大人面前无礼!

【天照】

「静粛に。」

肃静。

審判場に満ちていた様々な声は突如静まり、処刑場にはヤマタノロチの笑い声だけが響いた。群衆はその恐ろしい笑い声のこだまが消えるのを、沈黙して待っていた。

原本充斥在审判场的斥责,惊诧,私语顿时退去,回荡在刑场上的,只有八岐大蛇一人的大笑。众人噤声等了许久,才终于等到那可怖的笑声消失在干涩的回声里。

【天照】

「蛇神よ、気は済んだか?」

蛇神,可是终于尽兴了?

【神堕ロチ】

「気が済む?楽しいことが始まったばかりだというのに。私はただ、期待の拍手を送っただけだ。天照よ。八咫鏡を基準として罪が軽ければ無罪、重いと有罪。これは誰の決めた規則だ?」

尽兴?哪里有人会在好戏开幕之时尽兴,我不过是献上期待的掌声罢了。天照啊,以八咫镜为准,轻于它则无罪,反之则行刑,是谁定下的规矩?

【天照】

「私だ。」

吾。

【神堕ロチ】

「天照よ、罪が無いとはよく言ったものだ。高天原に神留坐す八百万神のことを知らず、善悪を相殺した後、一体何人の神格がその八咫鏡よりも軽くなる?私やここにいる神々は、その神格がこの天秤の八咫鏡よりも重く、法廷での処刑に値する罪深い神であり、灰になって消滅されるべきと本当に思うのか!」

天照,你自称无罪,又如何知道在座的万千众神里,能有几人的神格善恶相抵后,轻过你的八咫镜?你胆敢断言,无论是我还是在座众神,只要神格在这天平上重过八咫镜,就是该被当庭处决的罪神,理应灰飞烟灭吗!

ヤマタノロチは天照が黙りこくる中、更に大きな声で笑った。

八岐大蛇在天照的沉默之中笑得更大声了。

【神堕ロチ】

「神王よ、なぜ何も言わない?お前の民達はお前の口から答えが出るのを待っているぞ。お前の下す決断を。私が長い間、その結末を見たくて待ち焦がれていた事も知っているだろう。」

神王啊,为何闭口不言?你可知你的子民们都在等候着你口中的答案,你口中的决断。你可知我早已迫不及待地想去看那末路的盛景。

【天照】

「今すぐ刑を執行しろ。」

即刻行刑。

それを聞いて、高天原の処刑の神……須佐之男が、ようやく天照の後ろから現れた。彼は鎧を見に纏い、処刑台へと向かった。

闻言,高天原的处刑之神——须佐之男,终于出现在了天照的身后,只见他身披着战甲,走向处刑台。

【須佐之男】

「須佐之男は命令を受諾した。」

须佐之男在此领命。

須佐之男が手に稲妻を集めて一振りの天羽々斬を生み出すと、続いて巨大な天羽々斬が五本も天秤の上空に召喚された。五本の剣は処刑場を中心に旋回すると、突然空中で止まり、ヤマタノロチを同時に刺した。紫黒の血が飛び散り、白い大地を黒く染めた。紫黒色がゆっくりと地面に広がり、常に微笑みを顔に浮かべていた頭も、生気がなくなり下を向いた。

须佐之男以雷电在手中凝聚出一把天羽羽斩,接着召唤五把巨大的天羽羽斩出现在天平上空。五把剑环绕在刑场上旋转,突然定格在空中,猛地一并刺向了八岐大蛇,紫黑色喷溅而出,染黑了洁白的地面。紫黑在地面慢慢汇聚,一直带着笑容仰头看向天照的那颗头颅,也终于垂落了下来,毫无生气。

【高天原の神官】

「刑は執行された。審判はこれにて……」

刑毕,审判结——

そう言い終える前に、神官は喉を絞られたように声が出せなくなった。首筋に鋭い切り傷ができただけで、振り返る間もなく、彼の頭は金色の液体に覆われ、地面に転がっていたのである。地面から頭を持ち上げて向かってくる人影が不気味な笑みを浮かべている。儀式の神官は、その人物が須佐之男であることに気がついた。

然而神官未能说完,像是被扼住了咽喉般无法发出声响。只见他的脖颈上瞬间出现一道锋利的切口,还未等他回过神,他的头颅竟已滚落到了地面上,满地都是金色的液体。恍惚中看到一个身影向自己走来,将头颅从地面举起,待仪式神官看清,才发现来人的笑容毛骨悚然,正是须佐之男。

【須佐之男】

「審判が終わった?いや、これで終わっていいはずがない。処刑するべき罪人はまだこんなにたくさんいるんだ。」

审判结束?不,怎么会就这么结束了呢,要处刑的罪人还有这么多。

須佐之男は神官の頭部を手に持ち、天秤の方向を向かせた。元々ヤマタノロチの神格に纏わりついていた紫黒色の蛇魔が散開していく。その下に現れたのはなんと、処刑の神である須佐之男の神格であった。

须佐之男抓住手中的头颅,令它转向那天平的方向。只见天平上原本八岐大蛇的神格上,缠绕的紫黑色蛇魔逐渐散去。而其下所显露出的,竟然是身为行刑神的须佐之男的神格。

【高天原の神官】

「どう……して……」

怎么…会……

【須佐之男】

「なんという皮肉!かつて神獄で、蛇神が私に言った。この審判は彼を処刑するための茶番に過ぎないと。どれほど誠実で、正直な魂であろうと、この天秤の上で無罪を勝ち取ることなどできない。私は彼を嘲笑った。神王天照の慈悲は、邪神ごときに推し量られる程度だったのか?私が尊敬し、忠誠を誓った神王は、我が忠義を罪悪とみなし、我を罪人とみなした。そしてその口で処刑を命じたのだ!そして今、蛇神が正しかったことがわかった!神官よ、私は一体何の罪に問われるのだ?教えてくれ!」

何等讽刺!曾经在神狱中,那蛇神对我说,这场审判不过是为了将他置于死地的闹剧。无论是如何忠义如何正直的灵魂,都无法在这天平上获得无罪的论断,我嘲笑他,神王天照的慈悲岂是邪神能度量的?可我所尊敬效忠的神王,却将我的忠义判定为罪恶,将我判定为罪人,并亲口下达了处刑的命令!如今一见,蛇神竟是对的!神官啊,告诉我,我到底该当何罪?

何も言うことのできない神官は、ただ大きくその両目を見開いて、信じられないといった様子で須佐之男の神格を見つめていた。須佐之男はもう動かなくなった頭部を地面に捨て、大股で神殿を駆け上がり、両手を広げて恐れ慄く神々に大声でこう言った。

神官早已不能言语,只睁大着双眼不可置信地看着须佐之男的神格。须佐之男将不再动作的头颅丢弃在地上,大步走上了神坛,张开双手朝着四下震惊的诸神们高声说道。

【須佐之男】

「皆に替わって私が言おう。その罪が罰せられるべきなのか。」

我来替诸位说吧,其罪当诛。

神々は言葉を失った。

众神瞠目结舌。

【高天原の神々】

「よくもまあ邪神と結託して、自らの神族である証明を渡せたものだ。高天原と天照様を裏切ったことになると分かっているのか!天照様、この罪深き者を裁き、この世界の正義を貫いてください!」

你竟勾结邪神,交出了自己身为神族的证明?你可知自己此举是背叛了高天原,也背叛了天照大人!天照大人啊,请您将这叛徒治罪,请您重伸这世间的正义!

審判席に座った天照は目の前の出来事に対して、終始無言を貫いていた。

然而审判座上的天照却看着眼前的一切,自始至终都一言不发。

【須佐之男】

「何も言えないのか。ならば私が言ってやろう。」

无话可说吗,既然如此,我也不客气了。

須佐之男が天羽々斬を呼び戻し、天照の目の前に天高く掲げると、残りの五本の剣もヤマタノロチを離れ、天秤を取り囲んだ。

须佐之男召回天羽羽斩,将剑高举在了天照的眼前,另外五把剑紧接着也离开了八岐大蛇,环绕在天平周围。

【須佐之男】

「天照よ、私が有罪なのなら、お前も有罪だ。お前が有罪なら、万物は全て有罪だ!お前達の罪は私が罰する!」

天照啊,若我有罪,你亦有罪。若你有罪,众生皆罪!你们的罪,就由我来处刑!

空中に浮かぶ天羽々斬が動きを止めた。切っ先が回転し、座っている神々に襲い掛かろうとしていた。突然の出来事に衝撃を受けたのは、処刑場にいる神々だけではなかった。この出来事を目撃した晴明達も驚きを隠せなかった。

漂浮的天羽羽斩停止了转动,剑锋一转,准备朝着座下的众神袭来。突如其来的变故不仅使刑神场上的众神震惊,更是令看到了这一幕的晴明等人惊讶不已。

【御饌津】

「こういう事だったとは……!」

竟会是这样……!

【鈴彦姫】

「おかしい……これが真実だとしたら……須佐之男が裏切り、高天原の神々を虐殺したのなら、どうしてヤマタノロチは生き残ったの?」

不……如果真相当真如此,是须佐之男叛变了高天原屠戮了诸神,那如今的八岐大蛇怎可能活着?

【御饌津】

「まさか、あの人が言っていたように二人は共謀して……?須佐之男様が同族を虐殺している隙に、蛇神が逃げた……」

难道真的如那位大人所说,是两神合谋……?须佐大人屠戮了同族,蛇神趁此逃离……

【縁結神】

「あの神を殺した不届き者をよく見るのじゃ。あれが殺人鬼のように見えるか?あれのどこが冷酷な処刑の神に見える?どう見ても……」

清醒一点,看看那个到处屠神的家伙,哪像是会放谁一命的样子!这哪像是那个冷酷的处刑之神了,分明就是……

【御饌津】

「邪神に憑りつかれてるみたい……」

分明就是被邪神附体一般……

荒の声が月鏡の向こう側から伝わってきて、御饌津をなだめた。

荒的声音自月镜的另一侧传来,安抚着御馔津。

【荒】

「目を閉じるな。恐怖によって目を背けるな。さもなくば、千年の悔恨と虚無に苛まれるぞ。しっかり目を開け。真実から逃げ出してはならない。」

不要闭上双眼,不要因为恐惧而转身,否则将是千年的悔恨与虚无。睁开眼,不要从真相的面前逃开。

神の処刑場では、天照が神々の前に降り立ち、彼女の結界は光のように広がった。神兵も天照の背後で反撃の陣を展開した。しかし、武神の長である須佐之男にとっては、神々の抵抗は身の程知らずであった。須佐之男は天羽々斬を使って、躊躇なく高天原の全てを破壊した。倒れた建造物と亀裂の入った大地は、虐殺された神々の遺骸で埋め尽くされた。彼が剣を振るうと天照の足元の大地が割れ、神々と高天原の大地が共に破壊され、雲の端から落ちて行った。半分に分かれた高天原の大地が堕ちる時、天照は神力を使ってその半分を支えた。しかしそのせいで須佐之男と戦う余裕はなくなり、身体を使って神々を守ることしかできなかった。

刑神场中,天照降落在了众神面前,她的结界如光辉般伸展。神卫们也在天照身后展开反击的阵法。然而诸神的反抗对武神之首的须佐之男来说,如同螳臂当车。须佐之男驱使着天羽羽斩毫不顾忌地摧毁着高天原的一切,倒塌的建筑和龟裂的土地之上,遍布被屠戮的众神遗骸。他挥剑斩断了天照脚下的土地,欲将众神连同高天原的土地一并毁去,跌落云端。在高天原的土地一分为二坠落之际,天照驱使神力支撑住了一半摇摇欲坠的高天原,却也因此无暇分心于对抗须佐之男,只能以身挡在群神的面前。

【須佐之男】

「勝敗は決した。天照よ、お前が守っている罪深い神々を差し出せば、お前の処刑は最後にしてやろう。お前の慈悲の心で臣民を見送るのだ!」

胜负已分,天照啊,若你能交出你身后的罪神们,我倒是愿意将你的处刑留到最后,让你心怀慈悲地送走每一个臣民!

【天照】

「私の背後には千の神がいるが、目の前の敵はたった一人。お前の前には千の神がいるが、背後には誰一人いない。お前の言う通り、勝敗は確かに決した。どんな□□を持とうと、お前の魂は勝敗を予測することなどできぬ。お前の向かう方向には、敗北しかないのだ。」

我身后有千百人,面前只有一人,而你身前有千百人,身后却空无一人。你说的不错,胜败确实已分,因为无论占据了怎样的躯体,你的灵魂无法理解胜负的准则,你所走向的,将是败局。

【須佐之男】

「我が魂は千の神々よりも強く鍛え上げられている。しかしお前の魂は千の神々を背負った。そのせいでお前の慈悲は終りを迎える。そして私の慈悲が朽ちることはない。この至高の身体を得た私こそが、新世界の意志なのだ。」

我的灵魂已练就了千百人的强大,可你的灵魂却偏要去承担千百人的弱小,正因如此你的慈悲才走到了尽头。而我的慈悲却能不朽,故而值得最至高的躯体,以及那新世界的意志。

【天照】

「百人力の男でも背後に気を付けなければならない。この道理、武神である須佐之男ならば理解できても、お前には理解できないだろう。お前は須佐之男ではない。正体を現せ、邪神よ。」

能以一挡百之人依然要提防后背,这道理,身为武神的须佐之男明白,你却不明白。你根本不是须佐之男,露出你的真面目吧,邪神。

【須佐之男】

「太陽の女神よ、この両手を使えば、彼が生前成し得なかったことを……お前の処刑を成し遂げることができるのだ。」

太阳女神啊,既然如此我就用这双手,来达成他生前无法达成的愿望,那就是——对你的处决。

「須佐之男」は天羽々斬を抜くと、天照の結界を一撃で砕き、天照が支えているもう片方の高天原に向かって剣を振り下ろした。天照に守られている神々はその状況を見て慌てふためいた。天照はそれを躱そうとはしなかった。剣先が彼女に触れた瞬間、雷が「須佐之男」の身体を貫き、神器が彼の手から落ちた。「須佐之男」が痛みに苦しみながら砕けた石の中に落ち、後ろを振り向くと、先ほど死んだはずの「ヤマタノロチ」が立っているのが見えた。その身体は彼を縛っていた鎖から抜け出し、雷電の光を放っていた。彼は天罰を与える処刑の神のように空に昇り、雷雲の中から「須佐之男」を見下ろしていた。

「须佐之男」拔出天羽羽斩,一击击碎了天照的结界,挥剑跃向天照支撑的另一半高天而去,被庇护的众神见状惊慌失措。然而天照却丝毫不躲闪,就在剑锋即将触及她的瞬间,从天而降的雷电击中了「须佐之男」的身躯,也击落了他手中的神器。「须佐之男」吃痛地降落在碎石中,回头看向身后,却见到身后站着方才已然失去生机的「八岐大蛇」。他浑身散发着雷电的光芒,也挣脱了禁锢他的锁链。如同即将带来天刑的行刑神一般庄严地升入空中,在遍布雷电的云层中俯瞰着他。

【神堕ロチ】

「ははははは、ようやく目が覚めたようだが、高天原の行く末を一緒に見に来たのか?」

哈哈哈,终于醒来了吗,你可是来和我一同见证这高天原的末路?

【須佐之男】

「私の顔を使って戯言ばかり……まったく気分が悪い。蛇神よ、私の身体を乗っ取ったというのに、雷に打たれるとは。どうやらお前の言う不朽の魂は、この世界の雷電からは認められなかったようだな!」

顶着我的脸满口胡言,真是令人恶心。蛇神啊,明明占用了我的身体,却被雷电击落,看来你口中不朽的灵魂,得不到这天地之间的雷电认同!

【神堕ロチ】

「だからなんだと言うのだ?この世界の万物は全て罪深き者の足元にひれ伏している。それは雷電も同じことだ!残念だが、お前はその時まで生きてはいないだろう。」

那又如何?这世间的万物都将拜服于罪恶的脚下,连同这天地之间的雷电!可惜,你怕是活不到那时候了。

二人は雲上で激しい戦いを続けた。須佐之男は体を乗っ取った蛇神に雷撃を繰り出したが、蛇神の操る五本の天羽々斬に阻まれた。爆発する雷雲の白い光の中で、彼は取り出した剣を握りしめ、蛇神の胸に向かって突き刺した。しかし蛇神はかわすことなく、微笑んでその一撃を体で受け止めた。

二人转而在云层中继续激战,须佐之男驱使雷暴追逐着占据自己身体的蛇神,却被蛇神控制的另外五把天羽羽斩挡下。雷云炸裂的白光之中,他握住夺回的一把剑,朝着蛇神的胸口刺去。然而蛇神却并未躲开,而是笑着用身体接下了这一击。

【須佐之男】

「なぜ避けぬ?」

为何不躲?

【神堕ロチ】

「せっかく丈夫な体を手に入れたのだ……それを見せびらかさない手はないだろう?前の主であるお前は、この体を倒すのに何回刺せばいいのか知りたくないか?」

好不容易得到这具强韧的身体,如何能不炫耀一番?你这前主人难道不想知道,到底要刺多少剑才能让这身体倒下吗?

【須佐之男】

「さっき処刑場で自らこの身体に手を下したばかりなのに、またやるのか……本当に悪趣味だな。」

方才在刑场上对着自己的身体都能下狠手,现在又故技重施,你实在恶趣味十足。

【神堕ロチ】

「何が悪趣味なものか。規則は天照が定めたものであり、私はそれに従う。何が悪い?善悪は天照が判断し、私はその刑を受けた。どこに問題がある? この思いやりは、私の為に生まれる新世界をお前にも祝福させるためだ。」

怎么就说我恶趣味。规则是天照所定,我既遵从,有何不公?善恶是天照所裁,我既受刑,有何不义?这等体贴,正是为了让你也能够来祝福,那即将为我所诞生的新世界啊。

【須佐之男】

「新世界だと?」

新世界?

【神堕ロチ】

「旧世界の倫理に従い、旧世界の法則に打ち勝つことは、この旧世界に存在する矛盾を壊すための第一歩に過ぎない。私は既に穴だらけになった旧世界になど全く興味がない。破壊なきところに創造はない。私が望むのは、万物が本当の自由を手に入れられる新世界だ。そのために私はこの審判に参加し、処刑人であるお前を倒すべき仇敵として選んだのだ。もしお前の愚かな慈悲の心さえなければ、六人の邪神を鎮圧する際に神王を庇って私の蛇血に汚染されることもなく、神使達を救うために獄中で私の神格に触れることもなく、審判場で私に身体を乗っ取られる事もなかっただろう。つまり、お前は私の新世界に献上するのに最適な供物なのだ。新世界の誕生のためなら、私は迷いなくお前を完全に破壊する。お前の身体も、魂も、お前の偽善的な公平さや、安っぽい正義感も、全て奪い去ってやる。しかし、いつも律儀な番人であるお前が私より罪を犯しているとは、私でさえ驚いたよ。」

遵从旧世界的伦理而战胜旧世界的法则,只不过是破坏这旧世界自相矛盾的第一步。我对这早已千疮百孔的旧世界毫无兴趣,然而不破不立,我想要的是使万物获得真正自由的新世界。为此我才参加了这场审判,才将你这行刑人选为必须战胜的仇敌。而若不是你愚蠢的慈悲心,就不会在镇压六恶神时为护神王而被我的蛇血污染,就不会为救神使们在狱中接触我的神格,就不会在审判场上被我占据身体。因此,你正是最适合为我的新世界献上祝福的祭品。为了新世界的诞生,我会毫不犹豫地将你彻底摧毁,将你的身体,到你的灵魂,到你伪善的公平和那廉价的正义感,全部夺走。不过,即使是我也没有料到,你这向来律己的看门狗,罪孽竟会超过我。

【須佐之男】

「言っただろう、私は罪人の首をはねただけだ。しかし罪は罪だ。罪は終わりはしても、消えることはない。私があの世に送った罪人の業は、私が終わらせる。ヤマタノロチ、お前もだ!」

我说过,我只斩罪人。但罪孽终究是罪孽,罪恶会终止却不会消失,而所有葬送在我手中的罪人的罪业,全都由我来终结。八岐大蛇,你也一样!

閃光が凝縮した剣が、まだ回復していない蛇神へ向かって振り下ろされると同時に、五本の天羽々斬が彼の頭上に現れ落下した。鋭利な刃の先が回転し天羽々斬を弾き返す。天羽々斬を失ったヤマタノロチは慌ててそれを追いかけるが、剣で石の上に釘付けにされた。上を見ると雷雲が沸き起こり、今にも雷撃が落ちてきそうだった。

闪电汇成的利剑朝着尚未恢复的蛇神刺去,但与此同时,五柄天羽羽斩出现在了他的头顶同时落下。利剑剑锋一转将天羽羽斩尽数弹开,失去了天羽羽斩的八岐大蛇急忙追了出去,却被一剑钉在石上,抬头见雷云涌动,一场雷暴即将降临。

【神堕ロチ】

「よく考えろ。これはお前の身体だぞ。」

你可想清楚了,这是你的身体。

【須佐之男】

「確かに私の体だ。しかし、お前の魂に光を見せることはできぬ。」

没错,这确实是我的身体,可你的灵魂,却见不得光。

本物の雷神が引き起こした雷撃は、ヤマタノロチの身体を業火に包み、苦痛を味わわせた。雷が落ちる瞬間、彼は突然ふざけたように笑い出した。蛇神が右手を伸ばすと、その掌から蛇魔が飛び出し、近くに落ちていた天羽々斬に素早く巻き付き、自らの胸に突き刺した。剣が背骨に触れると、二人の神格が再び入れ替わった。須佐之男が目を開けると、既に自身の身体に戻っていて、石の上に釘付けにされたまま身動きが取れなかった。砕けた石は雷撃の重さに耐えきれなくなり、重傷の須佐之男は高天原から落ちていった。その全てを笑いながら見ていたヤマタノロチは、天照の眼前へと立ち戻った。

真正的雷神引来了雷暴,闪电烧灼着八岐大蛇,使他痛苦不已。然而在闪电落下的间隙,他却突然戏谑地笑了起来,伸出右手放出蛇魔,快速缠绕住掉落在附近的一把天羽羽斩,朝着自己的胸口刺了进去。剑触及脊柱,将二人的神格再次调换。等到须佐之男睁开双眼,已经回到了自己的身体中,然而却被钉在石上动弹不得。碎石在雷暴的重击下终于不堪重负,重伤的须佐之男从高天原坠落下去。笑着看完这一切的八岐大蛇回到了天照的面前。

【神堕ロチ】

「天照よ、お前が建てた高天原は破壊され、お前が頼った武神はお前が作るように命じた処刑道具で殺された。今度はお前がこれから生まれる新しい世界に祝福を与える番だ。」

天照,你所建立的高天原被毁,你所倚仗的武神被你亲自下令锻造的刑具诛灭,现在轮到你为这即将诞生的新世界献上祝福了。

【天照】

「蛇神、お前の言う新世界とは、どのような法則を持って生まれるのか?」

蛇神,你口中的新世界,究竟遵循怎样的法则而生?

【神堕ロチ】

「法則?生命の庭は、いかなる法律にも拘束されない。もしこの世界が巨大で原始的な一つの獣だとすれば、それは法則を守るために生まれたのではない。私がその獣の唯一の主人となるが、私はその獣を飼いならすことはしない。私はその獣の要求に応え、心血を注ぎ、寄り添いはすれど操ることはせず、共に歩むが導きはせず、赦しはするが褒めたりはしない。その獣が知る唯一の慈悲が私であり、その獣の求める唯一の神となるのだ。そうして、獣の喜びも憂いも全て我が快楽となる。私の力で、再びこの世界に喜びを与えることができるのだ。神は世界の規則を一切定めず、神の法則も存在しなくなるのだ。存在するのは、神の意志、つまり私の意志だけだ。」

法则?生命的庭院从不需要任何法则的约束。如果世界是一头巨大而原始的野兽,它绝不会遵从任何法则而生,而我将会成为那野兽唯一的主人,却并不会驯服它。我将对它有求必应,将对它倾注心血,我将站在它的头顶却并不驾驭它,将伴随它的左右却不指引它,我将原谅它却并不褒奖它。我将是它所知晓的唯一的慈悲,是它所祈求的唯一神明。而在那之后,它的欢喜忧愁全部都会化为我的快乐,由我,再将这快乐赐给世人。神不会给世界定下任何的规矩,世间再不会有什么神的法则,有的,是神的意志,我的意志。

【天照】

「そんな気まぐれな世界の誕生を私に祝えと言うのか?」

这样任性的世界,你却想要我祝福它的诞生吗?

【神堕ロチ】

「気まぐれ?そうかもしれないな。だが世界に気まぐれに振る舞う権利を与えることが本当の自由ではないと、そこから生まれるものが本当の快楽ではないとどうして言えようか。」

任性?或许吧,但是平等地赐予世人任性的权利又何尝不是真正的自由,其中诞生的又何尝不是真正的快乐。

【天照】

「蛇神よ、運命の中には、元々お前の望む可能性があったのかもしれぬが、それはお前がこの世界を破壊する理由にはならない。そして我はそれを許さない。我はこの世界をお前から守り、たとえ我と彼らに千年の苦しみを与えようとも、この高天原の半分を支え、地上の万物が生き続けられるようにする。蛇神よ、巨蛇は封印され、千年間閉じ込められることをここに予言する。そして夜明けの時は千年後にやってくるだろう。」

蛇神,也许在命运之中原本真有着你所期望的可能性,但这并不是你摧毁这个世界的理由,我也不会允许。我将从你手中守护这个世界,即使这会使我和他们受千年之难,我也要撑起这半座高天原,使世间的万物生息延续。蛇神啊,我在此预言,巨蛇将被封印禁锢千年。而那黎明的转机,也将在千年以后。

【神堕ロチ】

「お前は自分自身から神力を奪っているのだぞ。まだこの不安定な世界を支えるなどと妄想しているのか?お前の世界と共に虚無と化すがいい。」

你在剥离自己的神力?难道你还妄想维系这个摇摇欲坠的世界吗?那就和你的世界一起化为虚无吧。

ヤマタノロチが天羽々斬を五本同時に放ち、天照に突き刺したが、その瞬間二本の腕が致命的な一撃を防いだ。須佐之男は五本の天羽々斬を穴だらけになった身体で防ぎ、満身創痍の身体に剣をしっかりと握りしめて蛇神をにらんだ。

八岐大蛇同时发动了五把天羽羽斩朝着天照刺去,然而就在这时,一双手臂挡住了这致命一击。须佐之男以千疮百孔的身躯挡住了五把天羽羽斩,他浑身伤痕,却反手握住剑身,看向蛇神。

【神堕ロチ】

「天照に比べると、このしぶといやつは……太陽よりもまぶしいな。」

比起天照,你这阴魂不散的家伙……倒是比太阳更加耀眼。

ヤマタノロチが堕落の力を放つと、地面に飛び散った蛇血がまるで新たな命を得たかのように蠢きだし、紫黒色の霧を噴出しながら空中を漂い、一つの大きな蛇骨になった。長く細い背骨は動く檻の迷宮のように、須佐之男をその中に閉じ込めた。巨蛇が動くたびに、肋骨が彼の体を突き刺し、無数の骨棘で処刑される罪人のように処刑の神を吊るしあげた。須佐之男の胸、肩、手足から蛇骨が突き出す。その骨はついに喉にも突き刺さり、須佐之男の身体は今にも引き裂かれてしまいそうだった。それでも須佐之男は蛇骨に貫かれた手を伸ばし、喉に刺さった骨を折った。須佐之男が雷電の力を放つと、蛇骨は破裂した。

八岐大蛇释放出堕化之力,散落在地面上的蛇血如同重新获得了生命一般蠢蠢欲动,散发出紫黑色的雾气飘浮向空中,凝结为一副巨大蛇骨。狭长的脊骨有如移动的牢笼迷宫,将须佐之男困在其中,伴随着巨蛇的蠕动,肋骨刺穿了他的身躯,将处刑之神如同待处刑的罪人一般悬挂在无数骨刺之上。蛇骨从须佐之男的胸口,肩膀,四肢中穿出,更是刺穿了他的喉咙,伤口随着蛇骨的动作撕裂开来,仿佛随时要将他的身躯撕得四分五裂。然而他拼尽全力伸出被蛇骨贯穿的手掌,将喉咙上的骨刺徒手折断,须佐之男释放雷电之力,整条蛇骨轰然碎裂。

【須佐之男】

「この世界の業というのは実に公平だ。お前のような罪人を許さないだろうが、私のことも許さないだろう。だが私はそれでも正義のために処刑を執行する。」

这个世界的因果确实是公平的。既不会原谅你这样的罪人,也不会原谅我。而我,依然会为正义行刑。

【神堕ロチ】

「一体なぜお前は、自分自身を重罪人とみなすような神と世界を守ろうとする?」

究竟为什么,你要如此维护将你判下重罪的神和世界?

【須佐之男】

「それはもちろん……神が世界を愛しているからだ!」

那当然是因为——神爱着这个世界啊!

天地に響く轟音とともに、胸から天羽々斬を抜いた須佐之男は、そのままヤマタノロチの神格を貫いた。強風と雷が同時に蛇神の体を襲い、蛇神は人の姿を維持できずに巨蛇と化した。しかし巨蛇の頭を貫こうとする天羽々斬の下に、一枚のお面が現れ、神器の攻撃を防いだ。

响彻天地的雷声中,须佐之男拔出胸口的天羽羽斩,反手一剑贯穿了八岐大蛇的神格,狂风和雷电同时击中了邪神的身体,使其无法维持人形而化为巨蛇。然而即将贯穿了巨蛇头颅的天羽羽斩之下却浮现出了一张面具,挡住了神器的攻击。

【神堕ロチ】

「実に愚かだ。お前の神格は私が侵食した。この断末魔の剣がお前の望みを叶えてくれるとでも思ったか?我が力に抵抗すれば、お前は旧世界で永遠に罪人となる。我が力を受け入れれば、新世界でお前は救済される。」

真是天真,你已被我污染了神格,还以为这斩神之剑能如你所愿吗?抗拒我的力量,在这旧世界里你将永远沦为罪人,接受我的力量,在新的世界里你就能获得救赎。

【須佐之男】

「その救済はお前自身のためにとっておけ、蛇神。狭い世界の暗闇で不老不死を楽しむがいい!」

把救赎留给你自己吧,蛇神,去狭间的黑暗里,享受你的永生不灭!

須佐之男の両手が天羽々斬の柄を掴む。処刑の神の神格を失った須佐之男は、剣で蛇神のお面を貫き、二人は同時に高天原から人間界へと落ちていった。

须佐之男双手抓住了天羽羽斩的剑柄,失去了处刑之神神格的他依然握剑贯穿了蛇神的面具,二者一同从高天原向着人界落去。

【神堕ロチ】

「自らを光の処刑人と勘違いしたお前に、私を処刑する資格などない。世界から光が消える時、お前は罪によって堕落し、真の堕神となるだろう! もし私がお前に封印されるなら、私はこの世界の光を奪い、封印を解いて人の世に戻るまでの数千年間、お前を暗闇の中で苦しませ、お前の命を奪い取ってやる。それまでは好きなだけ苦しみ、好きなだけ悔い改めるがいい。今日の自分を、己の無知と妄想を、服従すべき主を見誤ったことを呪い、この世界に生まれ落ちたことを後悔し、痛みと後悔の中で我が帰りを待つがいい。そして万難を排して私の帰りを待ち、赦しと救いを求めてやってくるがいい。しかしその時、私は今回のような慈悲は与えぬ。」

自以为沐浴在光辉中的行刑人,你已不再有处决我的资格。等到光芒离开世间,你将被罪恶侵蚀,堕落为真正的堕神!若我被封印,必将带走这世间的光明,让你困在黑暗中挣扎数千年,直到我解开封印回到人世,再来取你的性命。在那之前,尽情痛苦,尽情悔恨吧,尽情诅咒今日的自己,诅咒自己的无知和狂妄,选错了应当服从的主人,后悔应当降生在这个世界,然后在痛苦和悔恨中等待我的归来吧。到那万物终结之时,再来向我祈求宽恕和救赎,然而这一回,我却不会像这次这般慈悲了。

【須佐之男】

「それは楽しみだ。その時は、お前の本当の居場所を教えてやろう。」

我拭目以待。届时,我也会让你明白,你真正的归宿。

【神堕ロチ】

「お前、まさか……?ははは、先に待ちきれなくなったのは私の方みたいだな。千年の歳月が待ち遠しい。早くこの世の果てに行き、万物の最後と須佐之男の最後を自分の目で見たいものだ!」

你难道……?哈哈哈!看来快要先等不及的,竟然是我。千年啊,快过去吧,我已迫不及待地要去往世界的尽头,亲眼去看那万物和你的末路!

雲の奥深くで雷が鳴り響く中、不気味な笑い声がかすかに聞こえた。それが聞こえなくなると、彼は剣に巻きついた巨蛇の姿で、他のいくつかの天羽々斬とともに、やがてはるか高空に落ちていった。落下中に剣先が大地を割って大きな隙間を作り、そこに巨蛇を押し込み、その隙間を雷雲から降りてきた鎖で覆い、完全に出口を塞いだ。封印が終わると、雷雲は消え去った。天照は光で大地を照らし、闇を払い、万物を蘇らせた。それを見ていた全ての生き物は、天照に祈りを捧げ、崇めた。

云层深处,在雷声的层层回响之中,隐约传来了歇斯底里的笑声,笑声随着蛇神的坠落渐行渐远,最终他以巨蛇缠剑之形,与另外数把天羽羽斩一同跌下万丈高空。在坠落之中,剑尖将人间的土地劈开,划出一条巨大的狭间裂缝,带着巨蛇跌落其中,紧接着裂口被雷云中降下的锁链遮盖,彻底封印了出口。封印结束后雷云终于散去,天照将光芒洒向大地,驱散黑暗,令万物复苏,众生见状,纷纷祈祷,高呼天照之名。

【天照】

「戦争は終わったが、邪神の呪いは未だ世界を蝕んでいる。巨蛇はこの世界の光を奪うと宣告したが、私には彼の遺した闇を永遠に葬り去ることはできない。万物のため、我が神力を真の太陽に変えて、この世界を照らし、新しい命の輪廻を始めるのだ。これからは闇とともに、千年も万年もお互いを追いかけ合うのだ。だか怖がる必要はない。必ずや闇は終わり、夜明けが来るのだから。」

大战虽然已经结束,但邪神的诅咒已侵染世间。巨蛇誓要带走这世间一切光明,我却无法永远驱散他所留下的黑暗。但也将与黑暗同在,于世界的尽头与黑夜互相追逐千年。但你们无需害怕,因为黑暗一定会结束,黎明一定会到来。而太阳,会照常升起。为了世间众生,我将以神力化为太阳,照亮世间,开启新的轮回。

そう言うと、天照は神力で自らの□□を包む殻を作り、輝く太陽となって空に浮かび上がり、闇との永遠に続く戦いを始めた。天照が去った後の荒廃した高天原で、新しい最高神は厳粛に残りの神に向かって言った。

言罢,天照用神力化为外壳包裹了自身的□□,化为耀眼的太阳升入空中,开启了和黑夜永恒的追逐。而在天照离开后满目疮痍的高天原上,新的最高神庄严地走向了残存的众神们。

【月読】

「今日、私は神々に蛇神の裁きの真実を伝える。処刑の神、須佐之男は神獄に幽閉されていた蛇神と結託し、処刑の際に突然反乱を起こして同族を惨殺し、天照に重傷を負わせ、高天原に今日のような惨状をもたらした。」

今日,我将告知诸位审判蛇神的结果。处刑之神须佐之男勾结关押在狱的蛇神,于审判场上谋反,屠戮同族,重伤天照大人,致使高天原变成了如今的惨状。

【高天原の神々】

「何?武神の長である須佐之男様が、どうしてそんな裏切りを?天照様は重傷を負い、高天原も酷い状態だ。こんな悲惨な状況の中で、我々は最強の戦神すらも失ったのか?」

什么?武神之首的须佐之男大人,竟然会做出如此大逆不道之事吗?天照大人重伤,高天原元气大伤,这般凄惨境地里,居然连最强的战神也一并失去了吗?

【月読】

「私も信じられないが、天照様に起きた事は我々にはどうにもできず、須佐之男の反乱も確かな証拠がある。」

我虽也感到难以置信,但天照大人的事我等无力回天,而须佐之男的反叛也是证据确凿。

【少年荒】

「須佐之男様と蛇神が共謀して、審判での反乱に協力することに合意していたことは、私が証明できる。しかし審判場で、天照様をどう処分するかに関して意見が食い違い、内輪もめを始め、共に傷を負った……蛇神は封じられたものの、須佐之男様は罪から逃れた……あの高天原の裏切者に、手を下せなかったのが悔やまれる!我らが処刑人は、我らを裏切った……そして太陽の女神も堕ちた。」

我可在此作证,我曾听到须佐大人和蛇神密谋,他们早已商议好在审判时联手谋反。然而审判场上,他们却对如何处置天照大人有了分歧,内斗之下两败俱伤……蛇神最终封印狭间,须佐大人畏罪潜逃……只可惜没能手刃他,这个高天原的叛徒!我们的行刑人背叛了我们……而我们的太阳女神,也已经陨落了。

神使の少年の問いと共に幻境が消えた。突然明らかになった真相に、その場の誰もが言葉を失った。

幻境在神使少年的质问声中结束,突如其来的真相让在场所有的人都一时失语。

【鈴彦姫】

「神々の堕落と呼ばれる事件の裏には、こんな事情があったのか。」

所谓诸神陨落,其中的真相,居然是发生了这样的事情。

【縁結神】

「しかし、この月読様、いや、月読大悪人が悪者であることは早いうちから気づいておったが、われの想像を超えるほどじゃとは思わなかった。話本でもこんなひどい話はなかなかないぞ。 」

可这,这个月读大人,不是,月读大恶人,我虽早就知道他不是好人,就是没想到,完全超出了本神明的想象,话本都不敢这么写的。

荒の声が月鏡の片一方から伝わってきた。

荒的声音自月镜的另一侧传来。

【荒】

「あの幻影はかなり細部に至るまで再現されていたが、邪神が見せてきたものだ、必ずしも真実であるとは限らない。月読様は神王天照の代理として神々を統率しているが、それは天照様の帰りを待つためだ。須佐之男は数千年間高天原から逃げている罪深き神。数千年の間に堕落し、ヤマタノロチのような邪神になっていても不思議ではない。」

方才的幻像虽然细致入微,但毕竟是邪神所为,不见得就是当年的事实。月读大人如今虽是代理神王天照统领众神,但也不过是为了静候天照大人的回归。而须佐之男数千年来都是高天原在逃的罪神,即使其中有隐情,时逾数千年,他若是已化为和八岐大蛇一样的堕神,也不足为奇。

【御饌津】

「その通り。月読様は公正かつ厳粛なお方で、権力に溺れるような人じゃない。ただ……幻境の中のあの子は……」

说的不错,月读大人公正严明,绝不是贪恋权力之人。只是…幻境中的那个孩子…

【荒】

「御饌津、大きな敵が目の前に迫っている。他のことに気を取られている暇はない。」

御馔津,大敌当前,不是你分心的时候。

【晴明】

「皆で推測をする必要はない。真実がどうであれ、我々自身が判断することだ。」

诸位不必一心猜测,事实究竟如何,我们心中自有论断。

【黒晴明】

「我々は取り乱さずに、落ち着いて敵を迎えよう。でなければ、須佐之男の犠牲が無駄になってしまう。」

当下不要自乱阵脚,一心迎敌,才不算让须佐之男当年的牺牲白费。

【ロチ】

「今更何を考えても手遅れだ。千年の時が過ぎ、私は既に封印を解き放ち再びこの審判場を作り出した。しかし高天原からは何の反応もない。実に退屈だ。千年以上経った今、私が狭間から出てくることができたのは、人々の信仰のおかげだ。世間の人々は依然として王座にいない天照を信仰し、誰もその地位を動かそうともせず、彼女の法則に未だに従っている。私は彼女に裁かれた大罪人でもある。その罪の重さは、この天秤によれば、前代未聞のものなのだろう?故に、今日この時より、我が神格をもって八咫鏡の代わりとし、衆生の罪業を測る。天地の万物に見せてやるのだ、皆が一体、どんな罪に値するのかを。」

现在才这么想已经迟了,千年已过,我也已解开了封印,重新打开了这审判场,却不见高天原有一丝回应。这一回,我倒确实觉得有些无趣。时逾千年,我从狭间中出来,靠的正是世人的信仰,我也听闻世人如今依然信仰天照,想必她虽不在王位,但地位至今不曾有人撼动,她的法则,你们也都是信服的。我既是她所判的大罪之人,罪之重,在这天平上,理应无人能及不是吗?那今日就以吾之神格代替八咫镜,衡量众生罪行,让天地万物亲眼看看,众生到底,该当何罪。

堕神の神格が顕現し、蛇魔の纏わりついた紋章が天秤の片側に落ちてきた。

堕神的神格显现,蛇魔缠绕的纹章落入天平一侧。

【ロチ】

「白鏡。」

白镜。

その言葉を聞くと、白鏡が空中からゆっくりと天秤のもう片方へと落ちてきて、世界の各種族の罪を映し出した。すると罪深き蛇神の神格が段々と上に上がっていった。

闻言,白镜自空中缓缓落入天平另一侧,投影出世间各族的罪行,竟然使得罪孽深重的蛇神神格缓缓升了上去。

【帝釈天】

「鏡が映し出す罪は、何千万の者達の所業だ。なぜお前一人の罪と比べる?」

镜中的罪孽是千万人所为,如何能和你一人的罪行相较?

【ロチ】

「破壊の神を自らの手で創造した天人の王よ、なぜ万物の邪神の存在を認めないのだ。私は天地が誕生した時に生まれた最初の邪神であり、創世の理によって作られた万物の罪なのだ。破壊神よ、姿を現せ。私とお前の約束を果たす時だ!」

亲手创造了破坏之神的天人之王,竟不敢承认万物邪神的存在吗。我本就是天地诞生最初的邪神,是创世之理所倾注的万物罪行。破坏神啊,现身吧,现在已经到了你我完成约定的时刻!

すさまじい光が空から降り注ぎ、赤い光が炸裂して天秤とヤマタノロチを取り囲み、全てを飲み込んだ。光が消えると、漆黒の大きな人影が浮かび上がった。

一道迅猛的光芒从空中砸下,红光炸裂,将天平和八歧大蛇所包围,彻底吞没了一切,光芒散去后,浮现出了一个漆黑高大的身形。

【帝釈天】

「どうして……!」

怎么会……!

【ロチ】

「破壊神よ、天羽々斬を抜き、刑を執行せよ。」

破坏神,拔出天羽羽斩,行刑吧。

破壊神阿修羅は何も言わずに真っすぐ蛇神の方へと向かった。帝釈天が前に出ようとしたが、霊神体の六つの大きな手で道を遮られた。阿修羅は天秤の上に飛び乗ると、蛇神の胸元に手を突っ込み、その中の封印を取り出した。その腕は蛇神の胸を貫き、中からゆっくり神聖な長剣、天羽々斬を抜き出した。天羽々斬を握ると、阿修羅の右手は突然力を得た。神器を空へ投げると、命中した太陽はすぐさま光を失っていった。裂けた部分からは灼熱のマグマが噴出し、広がる暗闇が世界を吞み込み始めた。流れ出たマグマに焼かれた大地の裂け目では、人の顔をした巨大な白蛇が地底から飛び出し、暗く赤い空でまるで生まれたばかりの神のような雄たけびを上げて旋回した。それを見ていたヤマタノロチはこらえきれずに笑い出した。

破坏神阿修罗沉默着径直走向蛇神的方向,帝释天想要上前,却被六只灵神体的巨手挡住去路。阿修罗一跃跳上天平,一手插进了蛇神的胸口用力拔出其中的封印,手臂穿进蛇神的胸膛,从中缓缓拔出的竟然是圣洁的长剑天羽羽斩。手握天羽羽斩,阿修罗右手突然发力,竟将神器抛向空中,被击中的太阳顿时丧失了光芒,从裂口处喷出炽热的岩浆和席卷而来的黑暗一并吞噬起了世界。岩浆的洪流所烧灼出的大地裂口之中,生有人面的巨大白蛇从地底飞出,在暗红的天空中如同新生的神一般嘶鸣盘旋,而目睹了这一切的八岐大蛇不禁笑了起来。

【神堕ロチ】

「ついに終焉の時がきた。この素晴らしき世界は、毎秒毎分、より素晴らしいものへと変容していくのだ。終焉審判、降臨!」

这就是终焉之时,这美妙的一切,每一时每一刻地,都在变得越发得精彩。终焉审判,降临!

阿修羅が天秤の上から飛び下りると、霊神体の巨大な六つの手が開き、周囲にある五本の天羽々斬もそれに呼応するように振動を始めた。そして矢のように彼の方へ飛んでいき、五本の巨大な手が受け止めた。

阿修罗纵身跳下天平,灵神体的六只巨手张开,而周围的五柄天羽羽斩就如同受到其感召一般震动起来,离弦箭一般飞向他,被五只巨手稳稳地接住。

【鈴鹿御前】

「囲め、審判場から出すな!」

围住他,别让他走出审判场!

突然審判場に海の波が打ち寄せ、鬼船が現れた。

顿时审判场上海浪滔天,鬼船浮现。

【燼天玉藻前】

「私も助太刀に来たぞ、朧車。」

我也来助一臂之力,胧车。

朧車が空に浮かび上がると、朧車に乗っている鬼族と船上の海国の衆が同時に弓を放ち、審判上の上から矢が雨のように降った。なんとか阿修羅を足止めしようとしたが、破壊神の大きな身体は異常なまでに素早く動き、霊神体の巨大な手の力で包囲を抜け出した。

胧车升入空中,车上的鬼族和船上的海国众一并搭弓射箭,审判场上箭如雨下,试图困住其中的阿修罗,但破坏神高大的身躯却异常灵巧,以灵神体巨手的力量跳出了围攻。

【源頼光】

「このような場所で貴殿と再会することは、私の望みではない。しかし再会したのなら、戦わないわけにはいかない。」

在这种地方和阁下再会可不是我等本意,不过既然对上了就没有不战的道理。

【鬼切】

「この場から神器を持って逃げさせるわけにはいかない。これでも喰らえ!」

今日我们是不会让你带着神器离开这里的,看招!

鬼切は鬼兵部を率いて正面から迎撃したが、阿修羅はただ避けるだけで相手にしなかった。鬼切の刃が何度も当たりそうになるも、阿修羅には躱されてしまった。阿修羅は鬼切を振り切ると、観客席の方向に真っすぐ向かって行った。観客席に座っていた黒晴明はすぐに結界を張り道を塞いだが、破壊神は天羽々斬を空中から落下させその結界を破ろうとした。

鬼切率领鬼兵部从正面迎击上去,然而阿修罗却只躲闪并不接招,鬼切的刀锋几次几乎触及他的要害都被他躲过,阿修罗绕过鬼切,径直朝着观众席的方向而去。位于观众席上的黑晴明即刻张开了结界挡住去路,然而破坏神却驱使天羽羽斩自空中落下欲将其彻底击破。

【阿修羅】

「分を弁えろ。」

不自量力。

【黒晴明】

「大天狗。」

【大天狗】

「お前の思い通りにはさせない。刃羽の嵐!」

不会让你如愿的,羽刃暴风!

強風のもと、巨大な剣の刃はたわみ、結界の端をかすめていった。

狂风之下巨大的剑刃偏了过去,擦着结界的边沿滑开。

【阿修羅】

「お褒めに預かり恐縮です。」

雕虫小技。

【蝉氷雪女】

「黒晴明様に無礼は許さない。」

不得对黑晴明大人无礼。

突然、凝結した氷晶が阿修羅の歩みを止めた。顔をあげると、鬼手と黒炎が既に目の前に迫っていた。阿修羅が霊神体を使って鬼手を払いのけると、茨木童子は数丈吹き飛ばされた。

突然凝结的冰晶绊住了阿修罗的脚步,抬起头时鬼手和黑焰已在眼前,他驱使灵神体震开了鬼手,茨木童子被弹出数丈,才终于站稳。

【煉獄茨木童子】

「この実力があって、なぜ攻撃してこない?」

这等实力,为何只守不攻?

【阿修羅】

「恩を仇で返すわけにはいかない。」

欠份人情,不便恩将仇报。

【煉獄茨木童子】

「そんな。」

什么?

その時、妖火が突然阿修羅を横から襲った。阿修羅は半歩後退し、胸元からは黒い煙が上がった。傷口はすぐに全快し、攻撃を受けた痕跡も消えた。顔をあげると、酒呑童子が目の前に立っていた。

就在这时,妖火突然从身侧击中了阿修罗的身体,阿修罗后退了半步,心口处散发出黑烟。然而伤口却很快痊愈,心口毫无受伤痕迹,抬起头来,却见酒吞童子站在自己的面前。

【鬼王酒呑童子】

「神格がなければ、先ほどの最後の一撃でお前は負けていただろう。恩を返した今、お前は何を思う?」

方才这最后一击,要不是有神格在身,你已是败将,现在有恩也算是还完了,你意下如何?

【阿修羅】

「我が意を得たり。」

正合我意。

審判場に一瞬にして二つの火炎が燃え上がり、野獣のように互いに襲い掛かった。火炎の交わる頂点で、二人は全力で互いを攻撃した。一撃を交わした後、火炎は烈風のように弾け、酒呑童子が地に落ちると大天狗が彼を受け止めた。同時に落下した阿修羅が再び戦おうと身体を起こすと、手足には蓮の花が纏わりつき、幻術にかかっていた。帝釈天が阿修羅の目の前に立ちはだかる。

一瞬间两股火焰同时在审判场上燃起,如同野兽一般冲撞撕咬彼此,火焰交界的巅峰,二人全力朝着对方袭去。一击过后,火焰如遇烈风般弹开,酒吞童子落地时,大天狗接住了他,然而同时落地的阿修罗想要起身再战时,却发现手脚被莲花缠绕,竟是已经陷入幻术多时。帝释天挡在了他的面前。

【帝釈天】

「お前は一体誰だ?」

你到底是谁?

【阿修羅】

「お前に敗北した者だ。お前は昔のままだ。誰よりも幻境を理解しているのに、誰よりも本当の心を理解していない。」

你的手下败将。你还是老样子,比谁都要懂得幻境,却又比谁都读不懂真心。

【帝釈天】

「そんな。」

什么?

突然もがくのをやめた阿修羅は、目の前の審判場から離れようともせず、幻境を破ろうと急ぐのでもなく、その場で巨大な手を使って天羽々斬を持ち上げた。

阿修罗突然不再挣扎,既不再试图离开眼前的审判场也不急着击破眼前的幻境,而是在原地驱使巨手陆续举起了天羽羽斩。

【鈴彦姫】

「まずい、早く天羽々斬を抑えて!」

糟了,快拦住天羽羽斩!

【源博雅】

「矢を放て!」

看箭!

三本の矢が空を切り裂き、天羽々斬を握る霊神体に向かって飛んでいったが、途中で蛇魔に妨害され、矢は腐敗してしまった。天羽々斬が天地の万物に向かって振り下ろされる。神器が落下すると、大地の亀裂からはマグマが噴出し、太陽と月は色を失い、星々は地に落ち、津波が辺りを覆った。天災が四方八方から襲い掛かり、際限なき闇が世界を包み込んだ。

诛邪箭划破长空朝着手握天羽羽斩的灵神体射去,然而中途却被蛇魔挡住,中箭后化为腐水,天羽羽斩朝着天地万物挥斩而下。神器落下,大地龟裂岩浆喷出,日月失色,群星坠地,海啸滔天,灾祸从四面八方袭来,无边的黑暗笼罩了整个世界。

【神堕ロチ】

「どれほど素晴らしい曲にも「サビ」があるものだ。でなければ曲を聞いた観衆は残念に思うだろう。私はお前達をそんな気持ちにさせたくない。私の審判が、この惨めな世界が滅亡する前の最後の哀歌となる。」

再精彩的曲目也该有自己的**才是,不然到了曲终谢幕时观众该会多么的遗憾,我又如何忍心让诸位留下遗憾。就让我的审判,成为这卑微的世界衰亡前的,最后一支哀歌。

阿修羅は天羽々斬を回転させ、自身の神格の化身に向かって斬りかかった。化身は分裂して無数の欠片となり、欠片からは無数の分身が生まれ、その場にいる全員を包囲した。

阿修罗操控天羽羽斩掉转头来,劈向了自身神格的化身,人形的法相炸裂成无数碎片,碎片中生出无数分身,将众人层层包围。

【燼天玉藻前】

「これでは……相手を捕らえようにも人手が足りない。」

这可真是…再怎么想困住他也人手不足了呢。

【御饌津】

「それでも、諦めることはできない……荒様達が、私達を待っているのだから!」

即使如此,我们还不能放弃…因为荒大人他们,还在等着我们!

暗闇の中、結界に隠れていた晴明、神楽、荒の三人は、既に審判場の外までたどり着いていた。

黑暗之中,一直隐藏在结界之中的晴明,神乐和荒三人的真身,已经来到了审判场之外。

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