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看书神 > 其他类型 > 阴阳师红莲华冕、天魔归来活动剧情中日双语 > 第47章 天魔归来 地狱挽歌⑧乐园

楽園

虚空の中、眩しい白色だけが阿修羅の目に映っている。そして次の瞬間、帝釈天の声が聞こえた。

在虚空之中,阿修罗所见之处,都是一片耀眼的纯白,接着他听到了帝释天的声音。

【帝釈天】

「阿修羅、私を変えたものについて考えたことはあるか?あなたは、私が求める純粋な世界は嘘だと言った。私はそれが嘘ではないことを証明したい。私達の故郷、忉利天を自分の目で確かめたいと思わないか?あれを見て。」

阿修罗,你有没有想过是什么改变了我。你说我所追求的纯粹的世界是一个谎言,我想要向你证明它并非是谎言。你难道不想亲眼看看我们的故土忉利天吗?看那里。

純白の中、帝釈天が姿を現し、虚空の地面に降り立った。阿修羅が帝釈天の手を掴んで、二人は共に前に進む。帝釈天が歩くと、地面には細波のような痕跡が広がっていく。細波は湖を形作り、いつの間にか阿修羅の前に一隻の小船が現れた。帝釈天は船に乗ると、頭を上げて阿修羅に向かって手を伸ばした。

纯白之中,帝释天的身影浮现,他降落在虚空的地面上。阿修罗抓住了他的手,两人一起往前走着,随着帝释天的脚步,地面逐渐扩散开点点水波涟漪。涟漪波光形成了水域,而一艘小船不知何时停靠在了阿修罗面前。帝释天走上船,抬起头来对阿修罗伸出了手。

【阿修羅】

「お前は一体どこへ行くんだ。」

你要去往何处。

【帝釈天】

「私だけじゃない、阿修羅も一緒に行くんだ。阿修羅、一緒に家に帰ろう。」

不是我,是我们。现在,阿修罗,我们一起回家吧。

二人を乗せた小船が岸を離れていく。水面は夜空に変わり、櫂を漕ぐと輝かしい星空が揺れ、宇宙の銀河に姿を変えた。漆黒の長い長い夜、時偶白い蓮が星々の中に漂い、暖かい光を放って、二人を導く。

小船载着两人离岸,水面变成了夜空,璀璨星河在船桨下摇曳,化为银河宇宙。在漆黑的长夜里,偶尔有白色的莲花漂浮在星辰里,散发出温暖的光,为二人引路。

【阿修羅】

「あの明星は、私達が出発した時、まだ星屑に過ぎなかった。」

那颗明星,在你我出发时,还只是一片星尘。

【帝釈天】

「星雲は星になり、星はまた星雲に戻る。変わらないように見えるけれど、実際は止め処なく変化している。」

星云凝为星,星又散为星云,看似一成不变,其实生生不息。

【阿修羅】

「まさか、この流転する星海がお前を変えたと言いたいのか?俺達が船に乗ってからどれくらい経った?」

难道你想说,是这片瞬息万变的星海改变了你吗?我们已经航行多久了?

【帝釈天】

「時間は流れてゆくけれど、私達の時間はまだ始まっていない。あれを見て、我が一族の故郷忉利天は、まもなくあの幼い星雲の中に生まれる。全ての物語は、あそこから始まる。」

时间虽然在流淌,但属于我们的时间却还没有开始。看那里,那片还稚嫩的星云中即将诞生的,就是我们一族的故土忉利天。一切的故事,就是从那里开始的。

彼らは星海に浮かびながら、数多の輪廻や生死を見届けた。種は盛え、また衰える。星々は輝き、また灰燼に帰す。長い船旅の間に、忉利天はようやく混沌と虚無の中からあるべき姿に生まれ変わり、未熟な浄土となった。そして彼らの船も、いよいよ岸を見つけた。

他们在星海中慢慢地漂浮,目睹了无数的轮回生死。物种兴盛,却又衰败,众星明亮,却又化为尘土。在他们漫长的航程中,忉利天终于从混沌和虚无中浮现出应有的样子,化为一片稚嫩的净土。而他们的船,也终于有了能靠岸的地方。

【帝釈天】

「家についたよ。」

我们到家了。

【阿修羅】

「ここが伝説の忉利天か?空っぽで、生き物の気配すら感じられない。こんな場所が本当に天人の楽園になりえるのか?」

这里就是传闻中的忉利天?空空荡荡,一片死寂,如何称得上是天人的乐土。

ここには何もない、全ては混沌と虚無だと阿修羅は思った。この虚無の中に一人でいると、生死の境すら曖昧になるだろう。一瞬とも、永遠とも分からない時間が経ったあと、彼らは巨大な廃墟を見つけた。廃墟の中には澄み切った水があった。帝釈天は前に出て、手を伸ばして水面に触れる。帝釈天が触れた瞬間、虚無と混沌の世界に、天変地異が起こった。光が混沌の世界を切り開く。

阿修罗觉得这里似乎什么都没有,所有的事物都是混沌虚无。若是独自在这片虚无中,可能会连生死都分不清。不知过了多久,也许是一瞬,也许是万年,他们找到了一片巨大的建筑残骸。残骸之中泛着盈盈的水光,帝释天走上前,伸出手触碰了波光。原本虚无而混沌的世界在帝释天触碰的一瞬,发生了天翻地覆的巨变,混沌的天地被光明分开。

【帝釈天】

「阿修羅、見て、忉利天が生まれた!だが生まれたばかりの忉利天の中には、最初の住民、忉利天神しかいない。忉利天神は混沌から生まれた。彼の□□と精神は明確な区別を持たず、二つは混ざり合っている。彼は天であり、地でもある。光でもあり、闇でもある。創造でもあり、破壊でもある。しかし全てを擁する忉利天神は思わず、そんな自分は、孤独な存在だと思った。」

阿修罗,你快看,忉利天诞生了!可是在初生的忉利天里,却只有最初的住民,忉利天神一位。忉利天神出现于混沌之中,他的□□和精神没有明确的界限,而是揉合在一起。他既是天也是地,是光明也是黑暗,是创造也是毁灭。可拥有一切的忉利天神却忍不住觉得,这样的自己,太孤单了。

【忉利天神】

「神魔の戦いは終わりを告げ、私は最初の罪を犯した。喜びはこの命から消え去った。一体何であれば、この寂しい心を埋めることができるだろうか?私は石でできた山を、土でできた平原を、水でできた海を作った。それは無限に広がるものだ。しかし我が魂の欠けた部分は取り戻せなかった。相変わらず虚ろなままだ。一体何であれば、我が精神を補うことができるだろうか?」

神魔大战告终,我犯下了最初的罪孽,我的生命中已不会再有欢愉,到底什么才能填补我心的孤寂?我已经创造出了石头做的山,土壤做的平原,和水做成的海,它们宽广无垠。可我的灵魂却并没有被它们填满,依然空旷,到底什么才能填满我的精神呢?

【帝釈天】

「心を補えるのは、やはり他の誰かの心だ。形あるもので魂を補うことは叶わない。魂は生まれた時から他の魂に飢えている。」

能填补心的,果然只有另一个人的心吧。灵魂无法用有形之物填满,是因为它生来就渴求着其他的灵魂。

【忉利天神】

「ならば、我が精神から新たなる魂を分かち、新しい命を作る。我が精神より生まれる生きとし生けるものは、私が残した寂しさを生まれ持っている。互いを求めあい、全知全能より抉り出された時に生まれる寂しさを補うことを望む。彼らはいつか私に倣って創造を、融合を、分離を行う。そして新たな魂が誕生し、また全てを繰り返す。私の孤独は、代々受け継がれる。」

既然如此,就让我将自己的精神分割成新的灵魂,创造出新的生命。诞生于我精神的众生,天生就承担着我留下的孤寂。于是渴求着彼此,想要填补那最初从全知全能中被撕裂而出的寂寥。他们终会效仿我去创造,去融合和分离,从而诞生新的灵魂,周而复始。将我的孤独,一代又一代地流传下去。

【帝釈天】

「その孤独で賑やかな命達こそが、天人なんだ。創造主の期待通りに、彼らは形にとらわれず、憂うことなくお互いの魂を求めあう。」

这些被创造出来的孤独而又喧闹的生命们,就是天人。就像他们的造物主所期待的那样,他们不被形体所束缚,无忧无虑地渴求着彼此的灵魂。

【阿修羅】

「違う。それは違う、忉利天神の期待は外れた。天人は□□を持たないが、その渇望は純粋とは程遠いものだ。彼らの弱点は孤独だけではない。**は□□に宿るものではない。いつかきっと彼らの魂を蝕む。忉利天神の眷属も、他の生き物と同じように貪欲だ。□□を持たなければ**は生まれないと言うなら、なぜ忉利天神は最初の罪を犯し、孤独に苛まれている?」

不,并不是这样,忉利天神的希望落空了。天人们即使没有□□,天人的渴求依然并不纯粹,孤独并不是他们唯一的弱点。欲念并不依附□□而生,终究会爬满他们的灵魂,忉利天神的造物和有形体的生命一样贪婪。如果没有□□就不会有欲念,那么忉利天神为何会犯下最初的罪孽,又为孤寂所苦?

【帝釈天】

「そうだね。天人は天神の精神より生まれた後、互いを理解しなくなり、矛盾や衝突が絶えなかった。しかしそのおかげで、忉利天に時空、昼夜、知恵と無知、喜びと苦しみ、正義と悪が生まれた……」

你说的不错。天人们从天神的精神中诞生后,他们不再理解彼此,矛盾与冲突不曾停歇。但也由此,忉利天出现了时与空、昼与夜、智慧与愚昧、快乐与痛苦、正义与邪恶……

【忉利天神】

「我が民よ、なぜ互いを否定し争う?我が精神にいた頃は、あんなに平和だったのに。もともと一つだったのに、どうして争うんだ。一体何のために?」

我的子民们,为什么你们要冲突争斗?当你们在我的精神中时,分明是那样的和谐。曾经是一体的你们如今却兵戎相向,究竟是为了什么?

【天人】

「忉利天神よ、あなたは私達を作った時…なぜ知恵と無知を、喜びと苦しみを、正義と悪をそれぞれ私達に分け与えたのですか?」

忉利天神啊,你既然创造了我们……为何要让我们有的智慧有的愚昧,有的快乐有的痛苦,有的正义有的却邪恶呢?

【忉利天神】

「あなた達は分離され、完全ではなくなった。それは互いを求めあい、互いの魂を補い合うためだ。」

你们因分离而变得不再完美。这是为了让你们渴求彼此,填补彼此的灵魂啊。

【天人】

「私達はこんなにも違うのに、どうやって共存しろと?我々を作った神よ、どうして私達に不平等を与えたのです?私達は争うしかありません。この不平等がなくなるまで。」

我们如此不同,又怎么能共存呢?您既然创造了我们,又为什么要让我们不平等地活着?我们只有争战不断,直至这不平等消失。

それを聞いた忉利天神は、涙をこぼし、自分の腕を切り裂いた。そこから血が流れ出る。

忉利天神闻言,他一边滴落下了眼泪,一边割开了自己的手臂,流出了鲜血。

【忉利天神】

「違う、我が子よ、あなた達は生まれながらにして平等なんだ。あなた達はただそれを忘れているだけだ…」

并非是这样,我的孩子们,你们生来就是平等的,你们只是忘记了……

忉利天神の涙と血が忉利天の土地を全て呑み込み、精神の海となった。精神の海の中は、天神の体の中と変わらなかった。全能の忉利天神は精神感応の力を通じて、全ての天人の精神を繋げ、再び理解し合うことを可能にした。精神の海と精神感応によって浄化され、忉利天は苦しみ、罪悪、無知のない楽園と化した。

忉利天神的泪水和血液淹没了忉利天的土地,化为了精神之海。在精神之海中,就如同在天神体内时那样。全能的忉利天神以心灵共感之力,联通了所有天人的精神,使他们重新互相理解。通过精神之海和心灵共感的净化,忉利天成为了不再有痛苦、罪恶、愚昧的乐土。

【天人】

「忉利天神を謳えよ、我らに命を与えたあと、再び我らを浄化し、理解し合うことを可能にした。これより苦しみと孤独は消え去り、人々は皆無垢なる心を持つ。忉利天の精神の海、それこそが天人一族の唯一の理想郷なり!」

赞美忉利天神,给予了我们生命,又让我们获得净化,彼此理解。从而不再痛苦与孤寂,每个人都能拥有纯洁的心灵。忉利天的精神之海,就是我们天人唯一的理想乡!

【帝釈天】

「そう、忉利天神は慈悲深く、忉利天こそが天人一族の理想郷だ。全てを見届けた私にも、次第に理解できた。純粋な理想の世界は、実在するものだと。この場所が私を変えた。理想郷の姿を目にしてから、阿修羅、私はずっとあなたをここに連れて来て、全てを分かち合いたかった。全ての戦争を忘れ、私と共にここに残ろう。これはあなたの願いではなかったか?」

没错,忉利天神慈悲,忉利天正是天人一族的理想乡。而目睹了这一切的我,也渐渐明白,那纯粹而理想的世界,是真实存在的。正是这里改变了我,自从我看到了这理想乡的模样,就一直也想带阿修罗你来这里,与你分享这一切。忘记所有战争,与我一起留在这里吧。你的愿望难道不是这样吗?

【阿修羅】

「俺の願いは自分の手で全てを作り上げること。何でも叶えてくれる天神など、邪魔でしかない。」

我的愿望是亲手造就想要的一切,从来都不需要有求必应的天神来替我实现愿望。

【帝釈天】

「しかし例え全力を尽くしても、手に入らないものがある。でもこの無垢の天国に残れば、あなたはほしいものを全て手に入れられる。」

但有的东西即使竭尽全力,也无法得到,而在这无垢的天国,你可以拥有你想要的一切。

【阿修羅】

「ほしいものを全て……か。」

我想要的一切……吗。

【阿修羅の母】

「阿修羅?あなたなの?やっと帰ってきたのね、皆長い間待っていたのよ。」

阿修罗?是你吗?你终于回来了,大家等了你很久了。

【阿修羅】

「母上?」

母亲?

【阿修羅の母】

「帝釈天も一緒に来たの?ちょうどよかった、あなたのお母さんとお兄さん達もあなたに会いたがっているわ。さっき、帝釈天がまだ帰って来ないなら、探しに行くと言っていたところなの。」

帝释天也一起来了吗?正好,你的母亲和哥哥们都说想你了,刚才还说如果你再不回来,就出去找你。

【帝釈天】

「心配かけてごめんなさい。さっき、私と阿修羅は蓮池で船に乗って、蓮を取りに行っていたんです。」

抱歉让你们担心了。我和阿修罗只是去莲池泛舟,还为您采了莲花。

二人の後ろの星海は、いつの間にか蓮池に姿を変えていた。

二人身后的星海,不知何时变成了一片莲花池。

【阿修羅の母】

「この子ったら、私は花が好きだって阿修羅から聞いたのかしら?」

你这孩子,我喜欢花是阿修罗告诉你的吗?

【帝釈天】

「私の母も、花が好きだから。蓮をあげるたびに、笑顔を見せてくれる。」

因为我的母亲也喜欢花,每次我将莲花献给她,她都会露出笑容。

【阿修羅】

「……確かに、これは俺達が全力を尽くしても手に入れられないものだ。」

……确实,这是你我竭尽全力也无法得到的东西。

【阿修羅の母】

「どうしたの、阿修羅?どうしてこっちを見てくれないの?まだ何か急用が残っているの?それなら、阿修羅は先に自分の用事をしてきて。お母さんは、ここで待っているから。」

阿修罗是怎么了,风风火火的还不肯看我,是还有什么急事没办完吗?如果是这样的话,阿修罗先去忙自己的事情就好,母亲就等在这里。

【阿修羅】

「母上、俺は……別に急用なんてない、ただ少し暑いだけだ。帝釈天、向こうの涼しいところに行こう。」

母亲,我……并没有什么急事,只是有些热罢了。帝释天,和我去对面乘凉。

阿修羅はろくに説明もせず、帝釈天を引っ張って歩き出した。

阿修罗不由分说,拉上帝释天就走。

【阿修羅】

「帝釈天、また同じ手を使いやがって、一体何を企んでいる。」

帝释天,你故技重施,到底有什么企图。

【帝釈天】

「私は何もしていない。言っただろう、忉利天の精神の海には、生死や夢現の区別が存在しない。あなたは自分の手で、あなただけの世界を作り上げたい。そしてこここそが、あなたが作り上げた世界なんだ。」

我什么都没做,不是说了吗,忉利天的精神之海中没有生死界限也没有现实梦境之分。你想要亲手创造属于你的世界,而这里正是你创造的世界。

【阿修羅】

「ふざけるな、俺はお前の家族なんて知らない。どうして俺の世界にお前の母親と兄がいるんだ?」

少说笑了,我和你的家人素未相识,我的世界里又怎么会有你的母亲和哥哥?

【帝釈天】

「でも、あなたの世界には私がいる。阿修羅、見て。ここは私達が出会った時のあの丘に似てないか?」

可是你的世界里有我啊。不信阿修罗你看,这里像不像我们初遇时的那座山坡?

【阿修羅】

「ん?そういえば、確かに少し似ているな。しかしあの時の丘は死体に埋め尽くされていたし、こんなに大きい蓮池もなかった。」

嗯?这么看来,似乎是有些相似,只是那时这里尸横遍野,也没有这么大的一处莲池。

【帝釈天】

「活気あふれる景色のほうがいいじゃないか。それに私は蓮池が好きなんだ。もしここに家を建てることができるなら、この美しい場所で一生を過ごしたい。」

这样春暖花开的样子不是更好吗,而且我也很喜欢莲池。要是能在这里搭个房子住下就好了,我真想永远住在这片美景里。

【阿修羅】

「家を建てる?お前が?昔翼の団が行軍して野営していた時、お前は天幕を張ることすらできなかったのに。」

搭房子,你吗?过去翼之团行军过夜,你连个帐篷都搭不好。

【帝釈天】

「そこまで言われたら、阿修羅に私の本気を見せなければいけないね。」

既然如此,我就只好让阿修罗看看我的真本事了。

帝釈天がそう言い終わった途端、野営用の天幕が唐突に草地に現れた。

话音刚落,一个行军帐篷就出现在了草地上。

【阿修羅】

「……」

【帝釈天】

「ここは忉利天の精神の海だから、欲しいものは何でも現れる。そして願いは何でも叶う。阿修羅も願い事をしてみたら?」

这里是忉利天的精神之海,只要是想要的东西,就都会出现,任何愿望都能心想事成。不如阿修罗来许个愿试试看?

【阿修羅】

「長年経ったが、お前は天幕を張るのが精一杯だったか。本気を出せば、木造の家でも、全く問題ない。」

这么多年过去了,没想到你也就是搭个帐篷的水准。如果我拿出真本事的话,造出木石搭建的房子,也不在话下。

あっという間に、阿修羅が子供の頃に住んでいた家と同じの木造の家が、天幕に代わって現れた。

转眼间,一栋和阿修罗小时候居住的一模一样的木石小房子就取代了帐篷出现在地上。

【阿修羅】

「ガチョウも飼いたい。」

我还想养鹅。

すると十匹以上のガチョウが柵と共に庭に現れた。阿修羅は驚いたが、すぐにそれを受け入れた。

一个鹅圈和十几只鹅出现在了院子里。阿修罗虽然惊讶,但很快接受了这个现实。

【帝釈天】

「阿修羅はどうしてガチョウを飼いたいの?」

为什么阿修罗想养鹅?

【阿修羅】

「家を守ってくれるし、水田の虫も食べてくれる。」

看家护院很管用,还会给水田捉虫子。

【帝釈天】

「あはは、阿修羅、この精神の海では、花は永遠に枯れないよ。万物は流転して、降ってくる雨まで甘い味がする。太陽は沈まない。作物は勝手に成長する。山に流れる川は美味しい酒だ。だから盗みを働く者なんていないよ。」

呵呵,阿修罗,在这精神之海,花朵永不凋零,万物生生不息,连天上落下的雨水都是甜的。太阳永不落幕,作物会自己生长,山间的溪流都是美酒,又怎么会有偷盗呢。

【阿修羅】

「それもそうだな。」

确实如此。

【帝釈天】

「家も庭も現れたし、阿修羅、ここに泊まろうか?ずっと船を漕いでたから、お腹が空いたね。こんな形のかまどは初めて見たよ、火を起こす場所はここかな?」

既然房子和院子都有了,阿修罗,我们就在这里住下如何?划了这么久的船,肚子都饿了,我还是头一次见这样的炉子,生火是在这里吗?

【阿修羅】

「あれはかまどじゃない、ふいごだ、早く離せ!」

那是风箱不是灶台,快放下!

【帝釈天】

「じゃあ火起こしは阿修羅に任せる。私は阿修羅に、新しく覚えた料理を振る舞おう。」

那生火的事就交给阿修罗,由我来掌勺让阿修罗也尝尝我新学的手艺。

【阿修羅】

「お前は料理ができるのか?」

你会做菜?

【帝釈天】

「ここに来る前に、わざわざ王宮の料理人に蓮の吸い物の作り方を聞いたんだ。簡単な料理だって言うから、彼の本音を確かめてみたけど、本当のようだった。」

我来之前特意跟王殿的御厨讨教过莲子羹的做法,他说很简单的,我探了他的心,说的是实话。

【阿修羅】

「で、どこで蓮を手に入れるつもりだ。」

那你打算到哪去弄莲子。

【帝釈天】

「扉の前には大きな蓮池があるじゃないか。あそこに蓮がたくさん生えている。きっと美味しい料理を作れるよ。」

门前不是有很大的莲池吗,里面的莲蓬结得那样好,一定很好吃。

【阿修羅】

「お前は船を漕げるのか?」

可你会撑船吗?

【帝釈天】

「ここに来る時、星海の中で船を漕いだだろう。蓮池は少し違うけど、ほとんど同じだと思う。」

之前来的时候不是在星海中泛舟吗,在莲花丛中撑船,应该都差不多。

【阿修羅】

「……帝釈天、俺がレンコンを採りに行くから、お前はここに残れ。そして覚えておけ、今後一人の時は、絶対にさっきみたいな小船に乗るな。」

……帝释天,你在这别动我出去采几朵莲蓬,记住以后千万不要在没人的时候自己上刚才那样的小船。

阿修羅が扉の前の蓮池まで来て、船を漕いでレンコンを採った。帰ってきた時、厨房から煙が立つ光景、そして慌てて中から出てきた帝釈天の姿が阿修羅の目に映った。

阿修罗去了门前的莲池,撑着小船采了几朵莲蓬。回来时,阿修罗却看到厨房的方向冒起了滚滚浓烟,帝释天一脸惊恐地从房子里跑出来。

【帝釈天】

「あなたがいつ帰ってきても料理を作れるように、火を起こすつもりだった。しかしなぜか…」

我想自己生火,等你回来时就可以下锅了,可是没想到……

【阿修羅】

「俺が家を出た時、薪などなかったが、一体何を使った?」

我走的时候分明屋里没有柴火,你是拿什么东西烧着的?

阿修羅は急いで厨房に入った。そして火を消すと、かまどの下で半分燃えかけた木製のふいごを見付けた。

阿修罗急忙冲进厨房,一阵扑火后,从灶台下拉出一台被烧了一半的木风箱。

【帝釈天】

「軍にいた時はいつも篝火を使っていた。ふいごを使うと火の勢いがこんなにも強くなるなんて知らなかった。」

当年行军的时候都是用的篝火,我真的不知道用了风箱火会这么旺。

【阿修羅】

「厨房にお前を残した俺が甘かった。お前は部屋を出て庭に行け。」

把你留在厨房我也真是大意了,你出去给我站在院子里。

しかし阿修羅が薪を採って戻ると、今度はガチョウに追いかけ回される帝釈天の姿が目に入った。

然而当阿修罗砍了木材和柴火回来,却看到帝释天被一群白鹅在院子里追得到处跑。

【ガチョウ】鹅

「ガーガー!」

嘎!

【帝釈天】

「うわあああ!食べないで!私の蓮を食べないで!阿修羅、早く助けて!」

哇啊啊啊啊!你们不要吃我!我的莲子不可以吃!阿修罗救我!

阿修羅は霊神体を召喚して帝釈天を高く掲げ、屋上に置いた。その後鳴いているガチョウを再び小屋の中に入れて、鍵をかけた。

阿修罗召唤出灵神体,把帝释天举起来放在了屋顶上。又利落地把几只叫嚣的白鹅抓起来丢回鹅圈,然后锁上了圈门。

【阿修羅】

「なんであいつらを外に出したんだ?」

你到底为什么要把它们放出来?

【帝釈天】

「ずっと鳴いていて可哀想だったから、お腹が減ってるんじゃないかって思って。だから鍵を外して餌をあげるつもりだった。それなのに、私の蓮を食べるなんて!」

我听它们一直在叫很可怜的样子,似乎是肚子饿了。于是就打开门进去想喂它们东西吃,谁知道它们竟然要吃我的莲子!

【阿修羅】

「お前もあいつらに食わせるべきだったな。」

真该让它们吃了你算了。

【帝釈天】

「どこに行くんだ、早く下ろしてくれ!」

诶你别走啊,先放我下来啊!

【阿修羅】

「そこでじっとしてろ。」

我看你就在上边呆着吧。

帝釈天は屋上で大人しく座っていることしかできない。下にいるガチョウはそんな彼に向かって、ガーガーと叫んでいる。裏庭からは薪を割る音が聞こえる。一体どれだけの時間が経ったのだろう。阿修羅はできたての蓮の料理を持って外に出てくると、帝釈天を屋上から下ろした。

帝释天只好坐在屋顶上不动,下面的白鹅还在对着他嘎嘎乱叫,后院则传来了砍木材的声音。不知过了多久,阿修罗端着刚烧好的莲子羹走了出来,然后把帝释天从房顶上放了下来。

【阿修羅】

「お前ほど面倒臭いやつは見たことがない。一日にどれだけ面倒を起こす気だ。」

我就没见过你这么能惹事的人,一天之中闹出如此多的事来。

【帝釈天】

「阿修羅が作る蓮の料理はこんなにも美味しいのか!善見城の宮廷料理人でもこんな味のものは作れない!」

我也没想到阿修罗做的莲子羹这样好吃,连善见城王殿里的厨子都做不出这样好的味道!

【阿修羅】

「お前は普段飢えることなく、贅沢なものばかり食べてるせいだろう。今日はひもじい思いをしたから、こんな庶民の料理も美味しいと思っただけじゃないか?」

我看你是这些年口味被养得越发刁钻了,忘了挨饿的滋味,这下饿了才会对平民的食物赞不绝口。

【帝釈天】

「しかし阿修羅は辛い料理が好きだろう、どうして蓮の料理も作れるんだ?」

不过阿修罗偏食辛辣口味,又怎么会擅长做莲子羹的?

【阿修羅】

「俺は辛口が好きだが、母上は普通の天人ようにあっさりとした甘口の料理が好きなんだ。母上が忙しい時、俺は母上の好みに合わせて料理を作った。そもそも、俺が辛口が好きなのは、血筋が違うせいだ。」

虽然我口味不同于你,但母亲她还是和普通天人一样喜欢这些清淡甜味的东西。过去她忙时我也会按她的口味做饭,说到底我口味有别常人,还是因为血统有异。

【帝釈天】

「ここでは誰もあなたの出身を笑ったりしない。戦争や争いに悩まされる心配もない。死者は蘇り、時間を巻き戻すこともできる。どんな誤解も必ず解ける。悔しい思いは全て報われる。私と一緒に、ここで暮らそう、阿修羅。」

在这里没有人会在意你的出身,没有战争也没有纷扰。死者可以复生,时光也可以回溯,误会都能够解开,遗憾也都能够补全。和我一起,在这里住下吧,阿修罗。

【阿修羅】

「ここでずっと追い求めていた世界を見つけ出した、ほしいものは全て手に入れたと言うなら、どうして俺が必要なんだ?」

既然在这里你已经找到了你一直以来追求的世界,得到了你想要的一切,又要我来做什么呢?

【帝釈天】

「忉利天神がどうして私達を作ったのか、まだ覚えているかい?天地は広いが、山や海で埋めることができる。しかし忉利天神の寂しさは、埋めることができなかった。あなたがいなければ、私もいつか忉利天神のようになってしまう。最初の罪を犯し、己の涙や血でできた海の中に倒れる。だからお願いだ、私の天国に残ってくれ。」

还记得忉利天神为何会创造了我们吗?天地之大,却可以用高山深海填满,忉利天神心中的孤寂,却无法填满。如果没有你,总有一日我会像忉利天神那样。犯下最初的罪孽,然后倒在自己的泪水和血液所构成的海水里。所以我恳请你,留在我的天国里,好吗。

【阿修羅】

「わざと馬鹿な真似をして、時間を稼いで、俺をここに残らせるつもりだったんだろう。」

你做出那些傻事,是故意装样子,拖延时间让我留下吧。

【帝釈天】

「ははは、幸い精神の海には昼夜の変化がない。正直に言うと、阿修羅はもう既にとても長い間ここに留まっている。もし昼夜の変化があったら、阿修羅を誤魔化すことはできなかったよ。」

哈哈哈,幸好精神之海里没有黑夜白昼,其实阿修罗留在这里已经很久了。不然要是这段时间里日夜更替,就骗不过阿修罗你了。

【阿修羅】

「……一体どれだけ経ったんだ?」

……过了多久了?

【帝釈天】

「分からない、でも例え阿修羅が戻りたいと思っても、きっともう遅い。」

不知道,不过阿修罗现在想回去肯定已经来不及了。

【阿修羅】

「帝釈天。」

帝释天。

【帝釈天】

「うん?」

嗯?

【阿修羅】

「ガチョウは生の蓮を食べない。今度嘘をつく時は忘れるな!」

鹅不会吃没剥开的生莲子,下回扯谎记得想清楚了!

【帝釈天】

「なに?!それだけは嘘じゃない!信じてくれないなら、今すぐ小屋の鍵を外して証明してみせる!」

什么?!唯独这件事我真的没有骗阿修罗你!不信的话我现在就去把鹅圈打开,亲自证明给你看!

【阿修羅】

「帝釈天!座れ!」

帝释天!你给我坐下!

【ガチョウ】

「ガーガー!」

嘎!

【帝釈天】

「うわああああ!!」

哇啊啊啊啊啊!

【阿修羅】

「お前は一生屋上で暮らしたらどうだ。」

我看你还是住屋顶上别下来了。

こうして二人は蓮池が見える丘で暮らすようになり、過去の恩讐を全て捨てた。かつての終わりが見えなかった戦争は、別の世界で起こったことのようだった。忉利天には春夏秋冬、昼夜の区別がない。時間は流れゆくけれど、何も変わらない。どんな素敵な夢もこれに勝ることはない。そしてこの夢は宇宙の終わりまで続く。帝釈天と阿修羅はここで数百年の静かな時を過ごしたが、それでもまだ一度も夕日を見たことはなかった。

二人于是在面朝莲池的山坡上住了下来,不再提过去的恩怨。曾经那无休止的战争仿佛是发生在另一个世界的事。忉利天没有秋冬春夏,也没有黑夜白昼,时间流淌却又一成不变。再美好的梦境也不过如此,而这个梦境长久到了宇宙的尽头。帝释天和阿修罗在这里度过了数百年平静安逸的时光,却还没有等来夕阳的一次沉没。

【阿修羅】

「ここではお前の願いは全て叶うのに、どうして簡単なことができないんだ?ふいごの使い方、蓮池で魚を採ること、レンコンを探すこと、ガチョウと仲良くすること。そして、素直に俺と話すこと。」

在这里你分明能心想事成,为什么却还是学不来许多简单的事情?比方说如何用风箱鼓火,如何在莲池里捕鱼,如何在淤泥里找藕,如何和门前的那几只白鹅和睦相处。比方说,如何坦率地和我说话。

【帝釈天】

「願いが全て叶う忉利天にも、人々が想像すらできないことがある。例えば私には素直に話す私の姿が想像できない。忉利天神には寂しくない自分の姿が想像できない。」

即使是在心想事成的忉利天,也有着人们无法想象的事情。就像我无法想象一个直率又畅所欲言的帝释天,而忉利天神无法想象一个不再孤寂的自己。

【阿修羅】

「ここは忉利天神の夢みたいなものだ。時々思うが、もし俺達の心にも境目、できない境界線が存在するなら、忉利天神はどうだろう?天人一族を作り上げた彼の心は、思った通りに満たされたのか。それともまだ苛まれていて、長き月日の中で俺達に失望していくのか。」

这里就像是忉利天神的一个梦。有时候我会想,如果我们的心也有边界,也有做不到的界限,忉利天神又会是如何呢?创造了天人一族的他的心,是像他所期待的那样被填满了。还是仍旧备受煎熬,在漫长的岁月中对我们日渐失望。

【帝釈天】

「神の御心は私達が推し量れるようなものではない。私達にできるのは、ただ楽しく生きていくことだけだ。彼が望む夢をできるだけ長く、できるだけ美しく維持し続ける。」

神的心思非是我们能左右的,我们所能做的,就只有快乐地活下去。让他的梦境长久地,一直是他最期望的美妙样子。

阿修羅の言葉を証明するかのように、あっという間に、忉利天の精神の海にも、次第に邪悪な魔物が出没するようになった。

就如同印证了阿修罗的话语那般,没过多久,忉利天的精神之海中,开始逐渐出现邪恶的魔物。

【天人】

「忉利天神よ、どうして全知全能である神の血と涙が、このような邪悪な魔物を招くのです?」

忉利天神大人,为什么全知全能的你的血泪中,会引来这些邪恶的化身?

【忉利天神】

「かつて神魔の戦いで、私は魔竜を殺し、全知全能の力を手に入れた。しかしその戦いの中、私は最初の罪を犯した。そして心が欠け、寂しさに侵された。この後私は忉利天を創造して、あなた達を創り出した。そして今、戦いに負けた魔物達が再び襲ってきて、我が故郷と民を滅ぼそうとしている。」

在曾经的神魔大战中,我因战胜并杀死魔龙而得到了全知全能的力量。可那场战役里我却犯下了最初的罪孽,我的心变得残缺和孤寂。此后我创造了忉利天,创造了你们。如今正是那些战败的魔物卷土重来,想要毁灭我的家园和子民们。

【阿修羅】

「忉利天は偉大なる神の力に守られているのに、よそ者に侵された。天人の中に必ず、よそ者に協力する内通者がいるんだ。魔物と繋がっているのは、十天衆に違いない。しかし、魔物の狙いは忉利天神だ。ならば魔物を打ち倒すことは、天人一族の務めに他ならない。」

忉利天分明有强大的神力守护,外族能入侵,定然是天人有内奸在协助和包庇。就是那十天众在与魔物勾结。不过,魔物冲着忉利天神而来,那么战胜这些魔物,理应是天人一族的职责。

【帝釈天】

「ならば私達が、魔物を迎え撃とう。」

那就让我们来迎战它们吧。

天人一族はすぐに兵を集め、際限なく溢れる魔物との戦いに身を投じた。魔物は不滅の魂を持つ故、忉利天神による浄化のみが一時の安息をもたらせる。魔物と繋がっている十天衆は罰されたが、海より現れる魔物は日に日に多く、強くなっていく。最後には、精神の海の中に、忉利天神にも劣らぬ力を持つ魔竜ヴリトラが現れた。

天人一族组织了军队迎战层出不穷的魔物,魔物灵魂不灭,唯有忉利天神将魔物净化才能停歇。虽然惩处了与魔军勾结的十天众,然而从海中而来的魔物却越来越多,日渐强大。终于,在精神之海中,出现了可以和忉利天神相匹敌的魔龙弗栗多。

【ヴリトラ】弗栗多

「忉利天神、平和を偽る卑怯者!神魔の戦いの中、貴様は我が友であるかのように振る舞ったが、最後には裏切った!己が私欲のために、貴様は忉利天を、天人を創り出し、彼らに偽りの愛を、偽りの平和を教えた!魂が欠けてしまった故、貴様は命に根差す不平等を消せなかった。全てはいつか必ず終わりを迎えるが、貴様は彼らに真相を教えなかった!貴様は気高く振る舞い、真面目くさった様子で全てを見届けた!」

忉利天神,你这粉饰太平的虚伪之徒!神魔大战里,你装作我的知心友人,最终却背叛了我和我们的誓言!你为了一己之私创造了忉利天,创造了天人,教给他们虚伪的爱!虚假的和平!你的灵魂早已残缺,你无法消除众生的不公,这一切终会走到尽头,你却不告诉他们真相!高高在上的你,一直道貌岸然地看着这一切!

【帝釈天】

「邪竜ヴリトラ、忉利天が今の状況に陥ったのは、全て貴様という邪悪な悪魔のせいだ!今こそ忉利天神に協力して貴様を倒し、忉利天と精神の海を元の楽土に戻す!阿修羅、共に戦おう!」

恶龙弗栗多,忉利天变成如今的样子,都是因你这恶魔!今天我们就要助忉利天神击败你,让忉利天与精神之海重归昔日的乐土!阿修罗,我们上吧!

帝釈天と阿修羅は天人の軍隊を統べ、忉利天神に加勢してヴリトラと戦った。戦いは百日も続いたあげく、ようやく魔竜を殺すことに成功した。

帝释天与阿修罗带领天人军队,协助忉利天神与弗栗多决斗。战事足有百日之久,才终于将魔龙斩杀。

【帝釈天】

「忉利天神よ、どうか魔竜の魂を浄化し、忉利天に再び平和をもたらしてください。」

忉利天神,请您净化魔龙的灵魂,让忉利天重归和平。

【忉利天神】

「我が民よ、魔竜ヴリトラは私が浄化する最後の魔物になる。私はもうこれ以上浄化できない。ヴリトラの言う通り、私はあなた達を騙した。精神の海は、天人一族の不平等を消し去ることができなかった。善悪美醜は表裏一体だ。二つが一つになり、徹底的に一体化すると、残るのは、全知全能の寂しさのみ。私は最初の罪を犯した。私は友人を殺した。故に孤独に苛まれる。だがあなた達に孤独を味わわせたくはない。故に私は精神の海を創った。精神の海には、永遠の善をもたらすことはできない。ただ皆の悪を私が引き受け、代わりに私が悪に耐えるだけだ。全知全能の神の力を持っていても、我が心、我が魂は、最初から不完全なものなのだ。今となっては、私が引き受けた悪は爆発寸前にまでなってしまった。魔竜ヴリトラの悪念は私が浄化した。彼は私の友だが、彼を殺すのは二度目だ。私のヴリトラは死んでしまった、私に刃向かえる者はこの世からいなくなった。私は唯一無二の破壊神と化す。私が狂乱に囚われる前に、早く逃げなさい。」

我的子民们,魔龙弗栗多将是我净化的最后一名魔物。我已经不能再净化了。正如弗栗多所说,我欺骗了你们,精神之海并没有彻底消除天人一族的不公。因为善恶美丑,皆是一体两面,如果合二为一,彻底化为一体,剩下的,就只是全知全能的孤寂。我犯下了最初的罪孽,我杀死了我的友人,因而尝尽了孤寂。可我不想让你们再尝到孤寂的痛苦,因此我创建了精神之海。精神之海并不能带来永恒的善,只是将众人的恶转交给我,由我代为承受。虽有全知全能的神力,可我的心、我的灵魂,从一开始就并不完美。如今,我所承载的恶已经到了爆发的一刻。魔龙弗栗多的恶念我已全部净化。他是我的挚友,我第二次杀死了他。我的弗栗多已死,世上再也无人能与我抗衡,我将化为独一无二的破坏神。趁我还没有疯癫之前,你们逃吧。

邪竜を退治した後、忉利天神の悪念はついに爆発した。彼は精神感応の力を利用し、精神の海を汚した。美しい故郷は魔物の楽園と化し、天人一族は忉利天を離れざるを得なかった。

忉利天神的恶念终于在屠龙后爆发,他以心灵共感能力污染了精神之海。曾经美好的故土化为魔物的乐园,天人们不得不逃离忉利天。

【天人】

「忉利天は汚され、もう浄化できない!異界に逃げろ、そうすれば生き残れるかもしれない!」

忉利天已经被污染,无法再净化!只有逃去异界,才有一丝生机!

【阿修羅】

「精神の海、平和で美しい天国忉利天には、そんな秘密が隠されているのか。帝釈天、忉利天神はもうすぐ狂乱に陥る。時間がない、俺がここから連れ出してやる。帝釈天?帝釈天!」

没想到精神之海,平静美好的天国忉利天,竟然隐藏着这样的秘密。帝释天,忉利天神即将狂暴,时间紧迫,让我带你离开。帝释天?帝释天!

天変地異が起こった。暴走した忉利天神は己が作ったものを全て破壊し、不気味な笑い声を上げた。四方から魔物の咆哮と天人達の悲鳴が聞こえる。全てはかつての戦争、深淵の獄の景色と重なった。混乱の中、焦る阿修羅は帝釈天の姿を探している。

天地色变,忉利天神狂暴地摧毁着自己所创造的一切,发出古怪的笑声。四处都是魔物的嘶吼,和天人们的哭嚎,这一切和曾经的战争,和深渊之狱的景象重合。在这一片混乱之中,阿修罗急切地搜寻着帝释天的身影。

【阿修羅】

「帝釈天?帝釈天、どこに行った?答えろ!」

帝释天?帝释天你去了哪里?回答我!

しかし魔物は話せない。天人達もとっくに逃げた。ただ破壊神と化し、殺戮を尽くす忉利天神だけがまだこの世界に残っている。

然而魔物无法说话,天人们早已逃远,天地之间只剩下化为破坏神大肆杀戮的忉利天神。

【阿修羅】

「忉利天神!目を覚ませ!教えろ、我が友は一体どこに向かった!」

忉利天神!醒过来!告诉我,我的友人他去了哪里!

彼の問いかけを聞いて、忉利天神は一瞬だけ正気に戻った。

忉利天神听到了他的呼唤,竟然真的有了片刻的清明。

【忉利天神】

「あなたか、まだ生きていたのか。我々の楽園はこんなことになってしまったが、あなたがいるから、まだ少しだけ希望が残っている。我が愛しき一族よ、これが私からあなた達への最後の贈り物だ。」

是你,你还活着。我们的家园终究还是变成了这副样子,却因为你在,有了最后一丝的生机。我所爱的族人们啊,我只剩最后一份礼物,能够赠予你们了。

正気を取り戻した忉利天神は自害した。そして力を全て使い果たして、自分の魂を抉り出した。

恢复了神智的忉利天神挥刀自裁,他用尽全力挖出了自己的心魂。

【忉利天神】

「ヴリトラを浄化した時、彼の悪念と魂は私の魂と絡み合い、一つになった。今、魂が再び分かれる。」

净化弗栗多之时,他的恶念和灵魂缠绕了我的心魂,与我融为一体。如今,它们又要再次分离了。

忉利天神は融合した自分とヴリトラの魂を二つに分かち、間もなく彼の元を去る天人達に贈った。

忉利天神将自己和弗栗多融合的心一分为二,赠给了即将离开他的天人们。

【忉利天神】

「真っ白な欠片は、浄化の力を持ち、やがて心霊の子となり、平和をもたらす。真っ黒な欠片は、破壊の力を持ち、やがて闇の子となり、争いをもたらす。あなた達はここを離れた後、千年続く戦争に苛まれる。そして闇の子は、永遠の破滅をもたらす。いつか、心霊の子が闇の子に打ち勝ち、再び平和の楽園をもたらすことを願う。」

纯白的一片,拥有净化的力量,将化为心灵之子,带来和平。纯黑的一片,则拥有毁灭的力量,将化为黑暗之子,带来战争。离开这里的你们,将会身陷千百年不能终结的战事,黑暗之子将带来永恒的毁灭。愿终有一天,心灵之子会战胜黑暗之子,为你们重新带来和平的乐园。

そう言い残すと、忉利天神は最後の力で故郷を浄化し、精神の海の揺らめく血と涙の中に倒れた。

说完嘱托,忉利天神用最后的力量净化了故土,倒在了精神之海摇曳的血泪中。

【忉利天神】

「いつか、我が民が戻ってこれるように。我々は精神の海にて、再び楽園を築く……」

望终有一天,我的子民们还能归来。我们将在精神之海,再度重建乐园……

いつもの静けさが戻った世界の中、忉利天神の遺体は天に聳える巨大な座標のようだった。忉利天の静かな水面で、何かを待っているようだ。阿修羅はそこを離れなかった。広い精神の海の中、帝釈天の姿はどこにも見当たらない。

在重归平静的世界中,忉利天神的尸体像丰碑一样,矗立在忉利天宁静的海面,像是在等候着什么。阿修罗也没有离去,空旷的精神之海中,哪里都没有帝释天的身影。

【阿修羅】

「帝釈天、一体どこに行ったんだ?そして忉利天神、お前は一体何を伝えたかったんだ?」

帝释天,你到底去了哪里?忉利天神,你又到底想要告诉我什么?

忉利天神の遺体に向かって歩き出した阿修羅は、頭を上げた。死んだはずの忉利天神が突然彼に向かって目を開いた。阿修羅は、それは明らかに帝釈天の顔だということにやっと気づいた。

阿修罗朝着忉利天神的尸身走了过去,他仰起头来。死去的忉利天神竟对着他睁开了眼睛,阿修罗才发现,那分明是帝释天的脸。

【忉利天神】

「阿修羅。皆もうここを去った。あなたも私の元から去っていくのか?」

阿修罗。大家已经离开了,连你也要离我而去吗?

【阿修羅】

「帝釈天、先に去ったのは、お前だ。」

帝释天,离我而去的,分明是你。

全ては眩しい光に呑み込まれた。阿修羅はまた純白の虚無の中に戻った。帝釈天の姿の忉利天神が目の前にいる。

耀眼的白光吞没了一切,阿修罗回到了一片纯白的虚无之中,站在帝释天模样的忉利天神面前。

【帝釈天(白)】

「阿修羅、ここだ!」

阿修罗,我在这里!

【阿修羅】

「!」

【帝釈天(白)】

「阿修羅、さっき誰と話していた?あなたの元から去る?私がそんな残酷なことをするなんて、ありえない。阿修羅は乱暴に振る舞うけれど、実はとても繊細で、人を傷つけてしまわないか、いつも心配している。かつて一人だった時、阿修羅はいつも敵を殺すとすぐに去った。だから辺境に住む人々に、伝説だと思われた。翼の団に入った後、訓練の時も打ち上げの時も、阿修羅はいつも一番遠く離れた席に座った。そのせいで兵士達は、阿修羅様は近づき難い人だと言った。そんな阿修羅を、私が放っておくわけないだろう?例えば今のように、皆もう去っていったけれど…忉利天はもう廃墟と死体しか残っていない場所になったけれど、それでも阿修羅だけは諦めずに、ここに残った。きっと私と同じように、悲劇の中に希望を見つけたんだ。そうだろう?阿修羅、私と共に忉利天を立て直そう。私と共に再び天人一族に忉利天を与えよう。かつての天国に戻り、天国の中で再会しよう。どんな絶望的な状況でも、阿修羅だけは絶対に諦めないと、知っているから。」

阿修罗方才是在和谁说话?离你而去?我怎么会做那样残忍的事。阿修罗虽然行事暴戾,其实却非常细心,一直以来都担心自己会伤到别人。过去独自一人时,总是杀了敌人就走,所以才会被住在边境的人们当成传说。等到加入了翼之团,又无论是操练还是庆功时,都坐得远远的,好些士兵都说,阿修罗大人不近人情呢。这样的阿修罗,我又怎么能抛下呢?就像现在,分明大家都已经离开了……忉利天只剩下残垣断壁和满地尸骸,却只有阿修罗没有放弃,留在了这里。一定是和我一样,在这悲剧中看到了希望,对不对?阿修罗,和我一起重建忉利天吧,和我一起把忉利天重新带给天人一族。让我们回到曾经的天国,在天国中重逢吧。因为我知道即使在最深重的绝境里,唯独阿修罗你,是肯定不会放弃的一个。

【阿修羅】

「一体何の真似だ。」

你到底想耍什么花招。

【帝釈天(黑)】

「ははははははは、いい質問だ。少しは勉強したかな、阿修羅?何せ昔のあなただったら、何も疑わず、何も聞かず、私の言うことを、いいことも悪いことも、全て受け入れていた!長年見てきたんだ、愚民どもが跪いて、私が忉利天神の生まれ変わりだと、天域を救う真の神だと褒めそやす光景を。いつもこう思ってしまうんだ。彼らは本当に阿修羅のように、愚か極まりない虫けらだと。そして思わずこう考えてしまう。あの時、暴虐なあなたが戦場で殺戮を繰り返していた時、私達の姿を目にした瞬間、同じことを考えていたんじゃないかって。道理でいくら止めても、あなたは聞く耳を持たず暴力に溺れていくわけだ。皆を見下すのは、これほど気持ちの良いことだったのか!しかしどんなに素晴らしい芝居でも、観客としての虫けらがいなければだめなんだ。だから鬼域に忉利天を降臨させよう。あの虫けらたちに、私達の足元に平伏す栄誉を与えよう。その時はあなたがいくら殺しても、止めはしない。むしろあなたと共に、この素晴らしさを噛みしめる!」

哈哈哈哈哈哈哈,问得好,该说你终于有了长进吗,阿修罗?毕竟过去的你对着我,可是什么也不怀疑,什么也不问,无论是蜜糖还是刀子,都会照单全收啊!这些年我看着那群愚民们跪在我脚下,恭维我是忉利天神再世,是拯救天域的真神。我都会忍不住想,他们真是和你阿修罗一样,都是愚不可及的蝼蚁。然后我又会忍不住想,当年你在战场上狂暴大杀四方的时候,看到的我们,是不是也是这样?怪不得你总是沉迷于狂暴拉也拉不回来,原来这高高在上的感觉,是这么美妙!可是这出戏缺了围观的蝼蚁怎么行,让我们把忉利天重降鬼域,让那群蝼蚁重新跪在我们脚下如何?到时候你想杀多少,我一定不会再拦着你,而是与你共享这美妙的感觉啊!

【阿修羅】

「全ては、最初から、お前の幻境だったのか?」

这一切的一切,从一开始,就都是你的幻境吗?

【帝釈天(白)】

「阿修羅……どうしてそんな風に言うんだ?私達の絆は、共に過ごした時間は、全て偽りだったと言いたいのか?私は約束を守ったのに、ずっとあなたのそばにいるのに!」

阿修罗……你怎么能这样说?难道你想说我们的情谊,那些相处的岁月,都是假的吗?我分明守住了诺言,一直都在你的身边!

【帝釈天(黑)】

「そうだと言ったらどうする?こんな私こそが、あなたが最も欲している友人ではないのか?私の嘘は、あなたが最も欲している約束ではないのか?私の幻境は、あなたが最も欲している夢ではないのか?夢を紡ぎ続ける機会を与えたのに、なぜどうしても目を覚まそうとする?」

是又如何?我的样子难道不是你最想要的友人?我的谎言难道不是你最想要的承诺?我的幻境难道不是你最想要的美梦?而如今我给了你再续前梦的机会,你又为何要执意醒来?

【阿修羅】

「帝釈天、お前は間違った。この夢を必要としているのは、お前の方だ。夢に溺れたがっているのは、いつだってお前の方だった。」

帝释天,你错了。你我二人之中真正需要这个梦境的人,真正陷在梦中不肯醒来的人,从来都是你。

【帝釈天(白)】

「阿修羅、許してくれ。私が弱すぎたんだ。あなたのような強さを持たないのに、身の程知らずに夢を叶えようとした。私達は共に夢を叶えると約束した。だからあなたは今回も私を助けてくれる、そうだろう?」

阿修罗,对不起,是我太软弱,没有你的强大却还是不自量力地想要实现这美梦。你曾经答应过和我一起实现梦想,这次你也会帮我的,对不对?

【帝釈天(黑)】

「私の阿修羅よ、本当の私が知りたいんだろう?分もわきまえずに、私の後ろにある鎖を断ち切ると言っただろう?今ならはっきりと見えるか?私を縛る鎖も、あなたを縛る鎖も、天人の手の中にあるんだ!今回は、私達が彼らに罰を与えよう。彼らを蹂躙し、真の天国を築こう!」

我的阿修罗啊,你不是想要看真实的我吗?你不是不自量力地想要斩断我身后的枷锁吗?如今你可看清?束缚我的和束缚你的枷锁都在同一群人手中,正是这群天人!这一回让我们来一同惩罚他们,将他们踩在脚下,建立真正的天国!

【帝釈天(白 黑)】

「阿修羅、どうか残ってくれ。私と共に、忉利天の無垢な天国を、今もう一度降臨させよう!」

阿修罗,留下来吧,和我一起,让忉利天的无垢天国,再度降临!

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