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看书神 > 其他类型 > 阴阳师红莲华冕、天魔归来活动剧情中日双语 > 第36章 红莲华冕 昨日之境⑤龙巢之灾

竜巣の災い

……鬼域深淵、竜巣深淵前の天人要塞

——鬼域深渊,龙巢深渊前的天人要塞

【阿修羅】

「天域と鬼域を隔てる溝……鬼域深淵。深淵には多くの魔神が栖息していて、その強さ故に、このあたりの鬼族に崇拝されている。鬼族は女子供を攫い、深淵に投げ落とし魔神の粮にする。深淵の向こう側に立っているのが、迦楼羅の根城である竜巣城だ。竜巣には数多くの悪鬼と、迦楼羅の空中部隊……金翅鳥一族が待ち受けている。竜巣城に繋がる唯一の道が、要塞の前にある石橋だ。」

这里是位于天域和鬼域之间的天然鸿沟——鬼域深渊。深渊内栖息着不少魔神,因力量强大,他们受到这一带的鬼族崇拜。鬼族经常掳走女人和孩子,丢入深渊献祭给魔神。深渊对面,与我们的要塞遥遥相望的那处城池,就是迦楼罗统领的龙巢城。龙巢内有成千上万恶鬼,以及迦楼罗的空兵——金翅乌一族。而通往龙巢城的唯一道路只有这座要塞前的石桥。

【煉獄茨木童子】

「名前の通り、まるで鳥の巣のようだな。断崖絶壁に建っている。おまけに金銀財宝で飾ってあるとは、鬱陶しい。」

那龙巢城果然如同鸟的巢穴一样,建在悬崖峭壁上。还用金银珠宝来装点得闪闪发光,明晃晃得刺眼。

【阿修羅】

「竜巣城の城壁には弓兵と投石機が配置されていて、橋を渡ろうとするとすぐ攻撃されてしまう。金翅鳥の空中部隊も地形を利用し、天人部隊を石橋から突き落とす。」

龙巢城墙上安排了弓兵和投石车,天人军队一旦踏足桥上就会遭到狙击。金翅乌空军部队也会利用地形出击,向天人军队俯冲,将他们从石桥上击落。

【帝釈天】

「金翅鳥一族は素早くて勇ましく、縄張り意識が強い。竜巣付近の侵入者を激しく攻撃する。やつらの攻撃を凌げる天人部隊はいない。」

金翅乌一族飞起来迅速勇猛,领地意识极强。他们会猛攻龙巢附近的入侵者,历来都没有天人军队能挡住他们的攻势。

【煉獄茨木童子】

「それでは、正攻法は不可能だな。翼の団が正面で敵を引き付け、正規軍が後方から叩くのも納得がいく。」

这么看来,想从正面攻城几乎是不可能的事。难怪帝释天会提出让翼之团正面佯攻引走兵力,正规军趁虚从后方攻城的计策。

【阿修羅】

「酒呑童子はどう思う。もともと深淵を調査しに来たんだろう?」

酒吞童子这次有何见解,你本来不就要调查深渊吗?

【鬼王酒呑童子】

「二人に出会うまで、深淵の付近を探っていた。地形もよく知らねえからな、あちこち回っていたぜ。こうして見ると、竜巣城の近くの地形は、俺が知ってるのと大分違うな。あの時は霧があったし、俺自身も霧の中にいたしな。」

在遇上你们二人之前,我也曾经路过深渊附近。也许是对地形不熟悉,在这一带绕了好一阵子。如今这么看过去,龙巢城一带的地形和我当时看到的相距甚远。大概是因为当时四处都是大雾,而我又身在其中吧。

【帝釈天】

「金翅鳥一族は普段空中を飛んでいるから、道路の建設はかなり適当だ。この辺を歩いていたら、道に迷うのも無理はない。」

金翅乌一族平时在空中飞行,所以对地面的建设十分零乱。如果只是在这一带的地面找路,会迷路恐怕也是必然的事。

【煉獄茨木童子】

「そういえば、私もこの辺りで道に迷って襲われたな。あの時も霧があって、すぐに方向を見失った。」

这么说来,那时我也是在这一带迷路才遭到袭击。我记得当时也是被卷入了迷雾中,很快就失去了方向。

【鬼王酒呑童子】

「また霧か?偶然じゃねえだろうな。」

又是大雾吗?这雾来得可真是巧。

【帝釈天】

「まさかこの霧に何かあるのか?」

这雾难道有什么问题吗?

【阿修羅】

「誰かがもったいぶって、裏で何か企んでるんだろう。」

大概是有人装腔作势,在背后搞什么阴谋罢。

【帝釈天】

「(……おかしい。)」

(……奇怪。)

【鬼王酒呑童子】

「いつ仕掛けるんだ?」

等下攻城是什么时候?

【帝釈天】

「今は光明天の使者を待っている。光明天の軍隊が配置につき次第、攻撃を仕掛ける。」

这要等光明天的信使,一旦光明天率领大军就位,我们就即刻攻城。

【鬼王酒呑童子】

「その時は、霧が出ていなきゃいいが。」

只希望待到攻城之时,能是个无雾的好天气。

【翼団兵士甲】

「阿修羅様、帝釈天様、十天衆の使者です!」

阿修罗大人,帝释天大人,是十天众的信使!

【十天衆の使者】

「光明天様の命を受け、軍令を伝えに参りました!光明天様は、数万人の大軍を率いて深淵の向こうに渡りました。現在竜巣城の後方に急いで向かっていて、半日以内に到着します。明日朝一番に、正面から陽動攻撃を仕掛けてください。半日持ち堪えてほしい、必ず来ると光明天様は仰っていました!」

我奉光明天大人的命令,前来传递军令!光明天大人率领的数万人大军已经绕远路搭桥抵达深渊对岸。此时此刻正从后方包抄,急行军往龙巢城来,不出半日定能到达龙巢城后方。命大人明日清晨率军从正面发起佯攻。光明天大人说了,只需要撑住半日即可。他一定会来!

【帝釈天】

「お疲れ様です。お茶でもお飲みになって、休んでください。」

辛苦您了,请下去喝些茶水,好好休息。

【十天衆の使者】

「いいえ、すぐに戻って報告します。光明天様はこの一戦をとても重視されています。一刻も無駄にできません。」

不必了,我这就要回去复命,光明天大人十分重视这次一战,一刻也等不及。

そう言い残し、使者は逃げるように要塞を後にした。帝釈天はいつもの落ち着きを失い、深刻な顔で竜巣城を眺めている。

说完以后,信使逃命一般头也不回地离开了要塞。帝释天一改往日的沉着冷静,面色凝重,站在悬崖上一动不动地远望着龙巢城。

【阿修羅】

「帝釈天、心配するな。明日何が起きようと、俺がお前の安全を保証する。」

帝释天,不必担心,明天无论发生什么,我定能保你无恙归来。

【帝釈天】

「光明天は信用できない。別の策を用意しておこう、ただ光明天の援軍を待つのはだめだ。阿修羅、私はあなたより、あいつらとの付き合いが長い。翼の団のような民兵はおろか、辺境の正規軍でさえ捨て駒にされる。日が暮れる前に城に辿り着くには、竜巣橋が必要だ。」

光明天没那么可信,你我必须做两手准备,出兵之后绝不能只等光明天援军!阿修罗,我和那群人打交道比你更久。不要说翼之团这样的民兵,哪怕是边境驻守的正规军,他们也能当作弃子。想要在天黑前进城,我们必须保住龙巢桥。

【阿修羅】

「俺たちが有利になれば、迦楼羅は必ず石橋を壊す。それを阻止するためには、最も速い騎兵を先行させなければ。」

迦楼罗一旦看到我们占了先机,一定会下令斩断石桥。想要阻止他们,必须让最快的骑兵先行。

【帝釈天】

「では私が騎兵と先行しよう。」

那就由我来带骑兵开道。

【阿修羅】

「いや、背水の陣とはいえ、お前に無駄死にはさせない。明日開戦前に兵を集めてくれ、話がある。」

不,就算这是背水一战,我也不会让你送死。明日开战前召集众兵士,告诉他们我有话要说!

……朝、竜巣深淵前の石橋

——清晨,龙巢深渊前的石桥

【阿修羅】

「翼の団の皆、我々はこれから迦楼羅を討伐する!昨日部隊を騎兵、歩兵、盾兵に分けておいた。開戦後、俺が騎兵隊を率いて先陣を切る!橋に着いたら、竜巣の弓兵の攻撃を防ぐための鉄網を張る。次は盾兵、騎兵が網を張った後、霊神体で金翅鳥の空中部隊を防ぐ盾を展開してくれ。後ろの部隊を守り、道を開く。盾兵が橋を渡り始めたら、歩兵は後に続け。できるだけ戦闘を避けろ。橋を渡りきるまで戦力を温存し、竜巣に着いたら直接城門を突破する!」

翼之团的各位,马上就是讨伐迦楼罗的攻城战了!昨日已将你们分为骑兵、步兵、盾兵三队。开战后,我将亲自率领由精锐编成的骑兵队,第一个上桥开路!我们尽快赶到桥头,张开铁网,为后续队伍挡住龙巢弓兵。其次是盾兵,骑兵开网后,你们用灵神体组成防御金翅乌空兵的护盾。保护后面的队友,清理道路。盾兵上桥后,步兵紧跟在后面,不要恋战。步兵队保存实力过桥,到达桥对面的龙巢后,直接攻取城门!

【翼団兵士】

「はっ!」

是!

【帝釈天】

「阿修羅、騎兵は確かに選り抜きの部隊だが、その役割は一番危険だ。策がうまくいっても、全滅する可能性は大きい……」

阿修罗,骑兵虽然是精锐,但是最为凶险。即使计策成功,也很可能会全军覆没……

【阿修羅】

「ああ、騎兵隊の皆、覚悟を決めてくれ。始まったら、後戻りはできない。命をかけて、翼の団の主力部隊を守る。俺が生きている限り、たとえ全員倒れても、俺は橋の向こうに辿り着き、道を確保してみせると約束しよう!」

正是,骑兵队的诸位可要想好。这战一旦上路,你们就无法回头了。为了保送翼之团主力军,我们将视死如归。但我发誓,只要我在,哪怕所有人都倒下,也会血战桥头,保送大军过桥!

【翼団兵士】

「我々の命運は、阿修羅様にお預けします!」

定将追随阿修罗大人,万死不辞!

【阿修羅】

「俺と共に戦え!」

我命令各位与我一同赴死共战!

【翼団兵士】

「はっ!命にかえても!」

誓,死战,不降!

【阿修羅】

「皆、橋の向こうで会おう!」

诸君,让我们在桥的另一头见!

阿修羅が馬に乗り、朝の日差しに照らされて出陣した。騎兵隊を率いて、石橋に向かって突撃する。

只见阿修罗翻身跨上马背,在晨光之下,策马扬长而去。随即率领骑兵列队朝着石桥冲锋。

【阿修羅】

「騎兵隊!俺に続け!」

骑兵队!随我过桥!

【翼団兵士甲】

「進め!進め!金翅鳥どもを倒してやる!」

冲啊!冲啊!将那帮金翅乌杀个片甲不留!

【翼団兵士乙】

「阿修羅様についていきます!」

我们誓死都将跟随阿修罗大人!

【翠甲鬼】

「何だ?人がこっちに向かってくるぞ!」

怎么回事?有人冲过来了!

【雷公鬼】

「命知らずめ、野郎共、矢を放て!」

是哪个不怕死的敢带兵上桥?弟兄们给我放箭!

騎兵が橋の真ん中までやって来ると、竜巣城壁には鬼族の弓兵が既に構えていた。無数の矢が放たれ、十数名の騎兵が落とされた。

众骑兵跑到桥正中,龙巢城墙上已经站满了鬼族弓兵。弓兵们拉满弓朝着城下万箭齐发,转瞬就有十数名骑兵前锋落马。

【翼団兵士乙】

「しまった、先頭の騎兵がやられた!」

糟了,我们的骑兵前锋中箭了!

【翼団兵士甲】

「うわあああ!」

唔啊啊啊!

【翼団兵士乙】

「まずい、阿修羅様の馬にも矢が!」

不好,阿修罗大人的马似乎也中箭了!

【阿修羅】

「俺に構うな、進め!」

不用管我,继续冲锋!

馬が倒れ、阿修羅が別の馬に乗り換える。馬に飛び乗った阿修羅が、部隊の先頭に追いつく。彼は霊神体を展開し矢の雨を防ぎながら、騎兵を率いて橋のたもとに向かって突き進んでいく。

阿修罗的战马倒地而亡,遍地尸骸中,只见阿修罗一个翻身抓住另一匹无主战马。他跳上马背,策马冲向队伍最前。他在箭雨中张开灵神体为众人抗下攻击,嘶吼着率领众骑兵冲向了桥头。

【阿修羅】

「振り返るな!橋柱を守れ!」

所有人不许回头!给我守住桥柱!

【翼団兵士乙】

「着いたぞ!皆、持ち堪えるんだ!杭を橋柱に打って、網を張るぞ!」

我到了!弟兄们顶住!往桥柱上打桩,准备拉网!

【阿修羅】

「網はどこだ、俺に渡せ!」

网在谁那里,丢给我!

【翼団兵士甲】

「阿修羅様!こちらです!」

阿修罗大人!接住!

【雷公鬼】

「弓兵!先頭のやつを狙え!絶対に落とせ!」

所有弓兵!给我盯着领头的那个放箭!必须要给我把他钉死在桥上!

【阿修羅】

「ほう?俺に当てようなんざ、三百年早い!」

哦?想射中我,还早三百年呢!

【雷公鬼】

「身の程知らずが!矢を放て!!」

这狂妄的家伙!放箭!!

阿修羅の六本の触手が馬を覆い、阿修羅に向かって飛んできた矢は全て霊神体が遮った。触手が矢を掴み、向きを変え、城壁の上に向かって数千の矢を放った。

阿修罗的六条触手挡在马前,所有射向阿修罗的箭矢一一被灵神体挡住。触手们抓住所有抵挡的箭矢,让箭头调转,数千箭矢朝着城墙上狠狠射了回去。

【雷公鬼】

「ああああああ!目が!目がやられた!誰か!」

啊啊啊啊啊啊!我的眼睛!我的眼睛中箭了!救我!

【翼団兵士甲】

「阿修羅様!杭打ちが終わりました!」

阿修罗大人!桩打好了!

【翼団兵士乙】

「援護は私が!早く!」

我来掩护!快!

【阿修羅】

「橋頭に着いたぞ。全員、鉄網を杭に結びつけて、広げろ!」

我到桥头了。所有人,把铁网绑上地桩,支起铁网!

……要塞側の橋のたもと

——要塞一侧的桥头

【帝釈天】

「鉄網が張られている。阿修羅たちが橋頭に着いた!竜巣の弓兵は何とかなりそうだ。」

远方的铁网支起来了,阿修罗他们已经到了桥头!看来我们能抵挡龙巢的弓兵了。

【金翅鳥甲】

「まずいぞ、矢が鉄網を通らない。弓兵ではやつらを食い止められない!衛兵は私に続け、やつらを迎え撃て!橋を渡らせるな!」

糟了,箭矢都让铁网挡住了,这样下去靠弓兵,根本阻止不了他们过桥!卫兵列队,跟我下去城门迎战!一定不能让他们活着过桥来!

【帝釈天】

「鉄網が上がった、騎兵隊が向こうに着いたはず。盾兵は前、歩兵は後ろに!全員、私に続け!」

铁网升起了,骑兵队应该到了对岸。盾兵先行,步兵在后,所有人!随我过桥!

【翼団兵士丙】

「盾兵整列!」

盾兵列队!

【翼団武将】

「歩兵整列!」

步兵列队!

【帝釈天】

「盾兵と歩兵、一列ずつ並べ、いざ橋へ!仲間の犠牲を無駄にするな!」

一行盾兵,一行步兵,队形交叉,跟随我上桥!绝不能让倒在桥上的战友们白白牺牲!

盾兵が霊神体で盾を展開し、歩兵が後に続く。盾兵と歩兵が交差して進み、騎兵が命がけで切り開いた道を進んでいく。

盾兵以灵神体组成防卫护盾,步兵紧随其后。二者交叉而行,踏上了骑兵们用性命开路的龙巢石桥。

【金翅鳥甲】

「全員、飛び降りて迎撃しろ!深追いは禁物だ。飛べない天人一族をそのまま橋から投げ落とせ!」

所有人,跟我飞下去迎战!记住千万不要恋战,天人一族不能飞行,给我直接把人丢下桥!

【金翅鳥乙】

「はっ!」

是!

金翅鳥の大軍が暗雲のように集まり、翼の団に押し寄せる。

金翅乌大军如乌云一般集结起来,成批朝着桥上的翼之团士兵俯冲而下。

【帝釈天】

「歩兵!剣を取れ!剣を上に向け、左右に振れ!金翅鳥の足は鷹の爪の形になっている。掴むところがなければ、深淵に落とすことはできない!」

步兵!立剑!剑锋向上,朝着左右肩膀挥舞!金翅乌找不到能抓握的地方,就没法把你们丢下深渊!

【金翅鳥甲】

「ああ!俺の足が!」

啊啊!我的脚!

【金翅鳥乙】

「天人め!頭を突き刺してやる!掴めないなら蹴れ!蹴り落とせ!」

该死的天人!看我直接刺穿你脑袋!抓不了肩膀就直接踢!给我把人踢下去!

【煉獄茨木童子】

「地獄の手!」

地狱鬼手!

【金翅鳥乙】

「うわ!なぜ焔が!翼が焼かれてしまう!」

呜啊!这是什么鬼焰!我的翅膀要烧焦了!

【煉獄茨木童子】

「目障りなやつらめ。邪魔をするなら、この茨木童子が許さん!友!道を開けた。橋を渡り、竜巣の城門を突破しよう!ん?友?なぜ動かない。何かおかしいことでもあるのか?」

碍事的东西,想要挡路,也不问问我茨木童子答不答应!挚友!我已经清出了道路,让我们一起过桥,来打碎这龙巢城门吧!嗯?挚友?为何突然停滞不前,是有什么异状吗?

【鬼王酒呑童子】

「おかしい?いいや、その逆さ。何もかもうまくいっている。うまくいきすぎて……予定通りに動かなかったら、どうなるか、試してみたくなるぜ。」

异状?不,恰恰相反,一切都进行得再合情合理不过。合情合理到了——令我想要试试,如果我不按常理,又会如何。

その時、鋭い鳥の鳴き声が響いた。四枚の翼を持ち、黒き宝石のように輝く半人半鳥の怪物が、竜巣城城門から急降下する。

就在这时,一声尖锐的鸟鸣划破天际,一只生有四翼,黑羽如同宝石般耀眼的半人半鸟怪物,从龙巢城门上俯冲而下。

【金翅鳥乙】

「迦楼羅様だ!」

是迦楼罗大人!

【翠甲鬼】

「迦楼羅様が直々に参戦してくださった!」

迦楼罗大人亲自前来参战了!

【雷公鬼】

「迦楼羅様、天人の軍隊が竜巣を攻めてきています!」

迦楼罗大人,天人的军队在进攻龙巢!

【迦楼羅】

「天人の軍隊?」

天人的军队?

【雷公鬼】

「昨夜から向こう側に駐屯していて、今までの軍隊とは格が違います。要塞警備の交代部隊かと思っていたが、今朝急に橋を渡って攻めてきました。やつらの数は多く、こっち側の兵が押されてしまっています!」

他们从昨夜起就驻扎在对岸,但和过去守备要塞的军队十分不同。本以为不过是来接替要塞守卫的军队,谁料到今天清晨突然就开始夺桥。他们人数众多,这一侧城楼的守卫怕是要不敌!

迦楼羅が遠くを眺めると、百人ほどの翼の団戦士が橋を渡りきったところだった。阿修羅が橋頭で金翅鳥と戦いを繰り広げ、戦線が城門へ近づいてくる。

迦楼罗远远眺望,此时已有近百翼之团士兵顺利渡桥。阿修罗在桥头与金翅乌缠斗,将战线不断朝着城门推进。

【迦楼羅】

「橋頭で先陣を切る黒の戦士と、橋で大軍を率いる白の戦士。あの二人が主将だな。あの二人を消せば、軍隊は崩れるはず。あいつ、隙だらけだな。相手してやろう!」

桥头这名率领前锋的黑色战士,桥上大军领队的白色战士,这两人想必是军中的领袖。想要断了他们的路,必须击杀这两人。似乎那家伙正是破绽。就让我来会一会他们!

その瞬間、阿修羅が重い殺気を感じ、二人の目が合った。迦楼羅が竜巣城から急降下し、鷹のように素早く刀を抜き取った。

那一瞬,空气中厚重的杀气使得阿修罗本能地抬起头来,两人四目相对片刻。迦楼罗突然自龙巢城墙俯冲下来,如猎鹰般迅猛,拔出长刀径直冲出。

【阿修羅】

「帝釈天、危ない!」

帝释天,小心!

迦楼羅は阿修羅を無視し、真っ直ぐに帝釈天のほうへ翔けてくる。それと同時に、彼の意図に気づいた阿修羅が跳び上がり、迦楼羅の背に跳び乗った。

迦楼罗越过阿修罗,径直朝着帝释天俯冲而去。与此同时,察觉他意图的阿修罗纵身一跃,跳上了迦楼罗的背脊。

【阿修羅】

「帝釈天には手を出すのに、俺のことは無視か?俺に翼を折られるのが怖いのか?どうりで雑魚に任せっぱなしで、散々呼ばれてようやく出てくる気になったわけだ!」

敢对帝释天下手,却不敢直接对上我,是怕被我撕碎这两对翅膀吗?怪不得让杂兵守在城墙上,千呼万唤才敢出来!

【迦楼羅】

「ははは!地上を這う下賤な天人め、我が翼族は空を翔ける。生まれた時から自由なのだ。屁理屈はそのくらいにしておけ!俺が先に誰を殺そうと、俺の勝手だ!くらえ!」

哈哈哈!只有低贱的天人才会拘泥于地面,我等翼族拥有天空,生来就是自由。谁要听你那些道德正序的歪理!我要先杀哪个,难道还要听你指挥不成!看刀!

【阿修羅】

「こいつ、俺ではなく、帝釈天を狙っている!そうはさせない。」

等等,这刀并不是朝着我来的,而是帝释天的方向!可别想得手。

間一髪で、阿修羅が迦楼羅の手を払った。刀が本来の軌道から外れ、帝釈天の乗っている馬の首を切り落とした。

在电光火石之间,阿修罗一掌打偏了迦楼罗朝着帝释天丢出长刀的手。刀锋一偏,脱离了轨道,一刀飞去斩断了帝释天战马的头颅。

【翼団武将】

「帝釈天様!刀が飛んできます!避けて!」

帝释天大人!长刀丢过来了!快躲开!

【翼団兵士丙】

「帝釈天様を守れ!しまった!帝釈天様が落馬してしまった!」

保护帝释天大人!糟了!帝释天大人落马了!

【帝釈天】

「ゴホッ。阿修羅のおかげで、馬を失っただけで済んだ。」

咳咳。多亏阿修罗打偏了刀锋,刀只是打中了战马。

【翼団兵士丙】

「馬の首を完全に切り取られた。恐ろしい力だ……」

战马的头颅竟然被整个削断,这是怎样可怕的力度……

【帝釈天】

「私は大丈夫だ。阿修羅が迦楼羅を引きつけているうちに、進軍を急げ!金翅鳥は遅れを取っている。この機に乗じれば、我々の勝利だ!」

我没事,趁着阿修罗为我们拖住金翅乌,继续行军!金翅乌已经落了下风,我们只要乘胜追击,定能大获全胜!

阿修羅と迦楼羅は空中で、迦楼羅は翼、阿修羅は触手を振り回して戦い続けている。四枚の翼と六本の触手、羽根と血が空を舞う。

阿修罗与迦楼罗在空中打得难舍难分,迦楼罗挥着翅膀,阿修罗挥着触手。四翼对上六条触手,碎羽和血滴飞得漫天都是。

【迦楼羅】

「いい気になるな!天人の偽善者め、我が翼族の縄張りに足を踏み入れたことを後悔させてやる!」

想得美!伪善的天人,到了我翼族门下,我迦楼罗让你有来无回!

【阿修羅】

「迦楼羅?お前が迦楼羅か?」

呵,迦楼罗,原来你就是迦楼罗啊。

【迦楼羅】

「だったらどうした?今さら気づいたのか!ん?放せ!何をした?」

是又怎样?你竟然才发现!嗯?放开我!你做了什么!

【阿修羅】

「ははははは……翼を縛られる気分はどうだ?翼が四枚あっても、俺の触手には勝てない。翼を縛られた翼族の王か、いい気味だ。」

哈哈哈哈哈……被绑住羽翼的滋味如何?有四只翅膀又如何,我的触手制服你绰绰有余。我倒要看看你这翼族之王被缠住了翅膀,又能怎么办。

【迦楼羅】

「畜生!この野郎……よくも羽を!やめろ!」

可恶!你这家伙……竟敢乱拔我的羽毛!住手!

【阿修羅】

「絶望したか?ずっと上に立っていた後に、真っ逆さまに闇に墜ちていく気分はどうだ?深淵に投げ落とされた者たちの亡霊が、お前を待っているぞ。」

绝望吗?一直以来高高在上,如今只能一路下坠黑暗里的感觉如何?那些被你丢进深渊祭祀魔神的人,他们的亡灵,可全在下面等着你。

阿修羅を振り切れない迦楼羅は、深淵へ墜ちていく。

无法挣脱的迦楼罗带着攀在他背上的阿修罗,朝着深渊坠落了下去。

【迦楼羅】

「放せ!一緒に死ぬつもりか!」

放开我!你难道要跟我同归于尽吗!

【阿修羅】

「一緒に死ぬ?違うな。俺は元々地獄で生まれた化け物だ。死ぬのはお前だけだ、迦楼羅。」

同归于尽?不。我本就是从地狱里诞生的怪物。会粉身碎骨的只有你,迦楼罗。

【迦楼羅】

「しょ、正気か……!お前らを捻り潰してやる!」

你、你这疯子……!我迦楼罗今天就要亲眼看着你们粉身碎骨!

迦楼羅が突然金の珠を投げ出した。珠は回転して上昇していく。突然目が開き、金色の瞳から忌々しい光が放たれる。光を浴びた天人兵士の霊神体が力を失った。

迦楼罗突然向空中掷出一枚金色的珠子,那颗珠子不断旋转上升。如一颗眼睛般突然睁开,金色的瞳孔中迸发出诡异又刺眼的光芒。天人士兵们的灵神体受到光芒的照射,竟然纷纷失灵。

【翼団武将】

「どういうことだ?霊神体が突然消えたぞ?」

这是怎么一回事?我的灵神体怎么会突然消失?

【翼団兵士丙】

「盾が消えた、このままではまずい!」

防御盾消失了,马上要顶不住了!

【翼団兵士丁】

「まだ半分の兵士が橋を渡りきっていない。帝釈天様も!」

还有一半的人没能过桥,帝释天大人也还在桥上!

【雷公鬼】

「震えるがいい!これが竜巣城の実力!迦楼羅様の神業だ!」

颤抖吧!这就是我们龙巢城的实力!这就是迦楼罗大人的神力!

【翠甲鬼】

「死ね!卑しい天人共が!」

受死吧!卑劣的天人!

【翼団兵士丙】

「がああああ!」

呃啊啊啊啊!

【阿修羅】

「翼の団の霊神体が全部消えただと?」

翼之团的灵神体都消失了。

【迦楼羅】

「ふん、もう俺の羽を縛れないな、お前一人で深淵に墜ちるがいい!」

哼,无法再束缚我的羽翼,你就一个人坠入深渊粉身碎骨吧!

唖然としている阿修羅を、迦楼羅が蹴り落とした。阿修羅は霊神体を召喚して石柱を掴もうとしたが、霊神体は現れなかった。間一髪で、橋から差し伸べられた手が阿修羅を掴んだ。

迦楼罗趁阿修罗分神之际将他踢了下去。阿修罗试图召唤灵神体攀附一旁的石柱,灵神体却没有显现。千钧一发之时,一只手自桥上伸出,拼命抓住了阿修罗的手。

【帝釈天】

「阿修羅!私の手を掴め!」

阿修罗!抓住我的手!

【阿修羅】

「悪い、約束したのに。失望させたな。」

抱歉,我分明答应了你。让你失望了。

【帝釈天】

「そんなこと言うな、阿修羅。私はあなたに失望したりなんかしない。今引き上げる。私達と翼の団がいる限り、必ず竜巣城を攻め落とすことができる。」

不要这样说,阿修罗。我永远不会对你失望。我这就拉你上来,只要我们还在,翼之团还在,就必能攻落龙巢城。

【阿修羅】

「帝釈天、顔色が悪いぞ、どうした?」

你的脸色怎么如此惨淡?

状況は逆転した。霊神体の力を失った天人兵士が金翅鳥に追い詰められ、突き落とされた。崖から這い上がろうとした者は、迦楼羅に首を落とされた。迦楼羅が首を手に取り、大笑いしながら首のない死体を深淵に蹴り落とした。

局势逆转,灵神体失效的天人士兵纷纷被金翅乌逼到了悬崖边沿,被推下悬崖。有人仍试图爬上岸来,被飞来的迦楼罗挥刀斩断头颅。迦楼罗把玩着手中的头颅,哈哈大笑着将无头尸体一脚踢下深渊。

【迦楼羅】

「命令だ、竜巣の石橋を破壊し、兵団を丸ごと崖の底に落とせ!」

传我命令,斩断龙巢石桥,让他们整个兵团,全都葬身崖底!

【金翅鳥甲】

「はっ!」

是!

数十体の金翅鳥が巨大な石を運び、天人兵士に向かって落とした。地が割れるような音と死者の悲鳴が鳴り響き、石橋の橋柱が完全に崩壊した。石橋は数回揺らいだ後、完全に崩壊した。

数十只金翅乌提着一块巨石飞来门前,自高处朝着天人士兵们丢下。天崩地裂般的震声中夹杂着死者们最后的悲鸣,石桥自桥柱处断开,石柱连根碎裂。整座石桥在摇晃几下之后,终于碎成千万片。

【翼団兵士乙】

「助けて!落ちてしまう!援軍はなぜ来ない?光明天様は言っていた、半日持ち堪えれば、必ず援軍が来ると!」

救命!要掉下去了!为何援军还没有来?光明天大人说过,只需要撑半日,就一定会来支援的!

【迦楼羅】

「光明天の援軍?はははははは!この迦楼羅が潰してきた天人部隊は皆、十天衆の援軍を期待していたな!この数百年間、一度も援軍とやらを見たことがない。もし本当に来たら、安心するがいい、あの世で会わせてやる!そして十天衆のやつらを問い詰めるがいい、どうしてくれるんだってな!落ちるがいい!深淵で魔神の食糧になれ!」

光明天的援军?哈哈哈哈哈哈!在这龙巢城外,我迦楼罗碾碎的天人将领,最后可是每一个都哭喊着十天众的援军呐!可我迦楼罗,几百年来从来没见过什么援军。等到哪一天他们真的来了,你放心,我一定把他们也一并送下去陪你们!到那时,你再好好向十天众那群伪君子,算你们的烂账!滚下去吧!在深渊之中,成为魔神的食粮!

【翼団兵士甲】

「があああ……!」

呃啊啊啊——!

【阿修羅】

「帝釈天?おい、目を覚ませ!石橋が崩壊してしまった。このままで崖の底に落ちて死んでしまうぞ!石橋が崩壊する時の衝撃で気絶したのか。仕方ない、お前は俺を助けてくれたし、今度は俺の番だ。」

帝释天?喂,醒过来!石桥碎了,再这样下去我们都会葬身悬崖底!这家伙被震碎石桥的冲击震晕过去了。也罢,接下来就看我了。

部隊が深淵に落ちていく。闇が光を飲み込み、周囲では兵士達の悲鳴が響き渡る。騎兵が使っていた鉄網が阿修羅の目に入った。

下落之中,深渊的黑暗迅速吞没了眼前的光明,周围将士们的哀嚎声回荡在悬崖之间。然而阿修罗却看见了同时落下的,骑兵用以阻隔箭雨的铁网。

【阿修羅】

「諦めるにはまだ早い。生きている者は、鉄網に掴まれ!」

还远远没到放弃的时候。活着的人,都给我抓住铁网!

阿修羅が刀を投げ、鉄網の片側を崖に固定した。そして短剣を投げ、鉄網のもう片側も固定した。横に広がった鉄網が落ちていく兵士を救ったが、阿修羅はそれに間に合わなかった。

阿修罗突然用力掷出长刀向悬崖对面一刀固定住铁网的一侧。紧接着又将短刀丢出固定住铁网的另一侧。横亘在黑暗中的铁网承接住不断掉下的战士们,却来不及接住阿修罗自己。

【翼団兵士甲】

「阿修羅様!」

阿修罗大人!

【阿修羅】

「上に登って、崖の上で俺を待て!」

我命令你们爬上去,在上面等我!

阿修羅は帝釈天の背後を守るため、自分の体で彼を庇った。そして彼は目を瞑り、やがてやってくる痛みを待つ。

阿修罗用身体挡在了帝释天的背后,以身躯护住了自己的友人。然后他闭上眼,等待着即将到来的粉身碎骨的痛苦。

……深淵の底

——深渊地底

【帝釈天】

「ここは……どこだ?………………………………思い出した。石橋が砕かれ、全員崖の下に落ちたんだ。迦楼羅の神器が霊神体を無効化し、翼の団を全滅させた。私は結局……深淵の底に落ちた。無数の仲間達と共に。彼らは崖の底に葬られたというのに、私は運良くのうのうと生きている!あの時と同じだ、いつも、いつも!あ、あ……あああ!!何故私は何度も人々の思いを裏切り、一人だけ生き残る?う、ああ……苦しい、左胸の……心魂の位置が疼く……あなたまで私の無能を嘲笑っているのか?私は確かに、相応しくなかったよ。阿修羅……私が手に入れることができるのは……最初から、心を麻痺するこの玉醸のみだった。ふう…………これで……」

这里是……什么地方?………………………………我想起来了,石桥碎裂,所有人都跌落了山崖。迦楼罗那能使灵神体失效的神器,让翼之团全军覆没。我终究……还是跌落到了深渊里,和无数同胞将士们一起。然而他们葬身了崖底,我却侥幸苟活!和上一次一样,和每一次都一样!啊、啊……啊啊啊!!为什么无论多少次,我都是辜负了所有人,独自活下来的那一个?呜、啊啊……好痛苦,左胸口……心魂的位置……连你都在嘲笑我的无能吗?我确实,不配。我能拥有的……自始至终,就只有这麻痹人心的玉酿。呼…………这样就……

【阿修羅】

「お前の何が相応しくないんだ?」

你不配什么?

【帝釈天】

「なっ……?!阿修羅?まだ生きているなんて、私の幻覚ではないのか?」

什……?!阿修罗?你还活着,不是我的幻觉吗?

【阿修羅】

「今、何をしていたんだ?」

你刚刚在做什么?

帝釈天の手中の瓶が落ちて、中から怪しげな紫の液体が地面にこぼれ出した。辺りには異様な甘い匂いが漂い始めた。

帝释天手中的瓶子摔落在地,诡异的紫色液体流了一地。一股异样的甜味萦绕在空气中。

【阿修羅】

「これは玉醸か?帝釈天、何故お前がこんな物を飲んでいるんだ。玉醸はかつて軍が戦力を強化する為に用いた物。しかし、過剰摂取すると幻覚が見えるようになり、霊神体も無効化され、後顧の憂いが絶えない。軍にいたお前なら知っているはずだ。」

这是玉酿?帝释天,你怎么会喝这东西。玉酿过去是军中拿来提升战力的,但用多了会产生幻觉,让灵神体失效,后患无穷。你肯定知道,你是军中的人。

【帝釈天】

「……」

【阿修羅】

「何故だ?まさかお前、以前にも?」

为什么?你该不会,不是第一次用这东西?

【帝釈天】

「ああ。玉醸を使うのは初めてじゃない。」

不是。我不是第一次用玉酿。

【阿修羅】

「偽りの夢に縋りつくのは弱者のすることだ。お前はそんな堕落なやつなのか?」

只有懦夫才会追求虚假美梦的慰藉。呵,你竟然是这么自甘堕落的人?

【帝釈天】

「阿修羅、お前!」

阿修罗,你!

【阿修羅】

「さっきのは言いすぎた。お前は心の強い人だ。そんなことをするはずがない。」

我刚才言重了,我知道你心绪坚定,你怎么可能是这样的人。

【帝釈天】

「知ったふうな口を、俺の何がわかる……」

……你说着这样的话……可你对我又了解多少?

【阿修羅】

「お前は俺の尊敬する友であり、相棒でもある。お前になら俺の命を託せる。俺に何が分かると問うが、では何故お前の方から教えてくれないのだ?俺にはお前を知る資格はないというのか?」

你是我的朋友,是我佩服的友人和搭档,是可以交付性命之人。若你觉得我了解太少,又为何不告诉我?我没资格知道你的事?

【帝釈天】

「あなたのせいではない。あれは、以前私が軍の一員として竜巣を進攻した時の事だ。遠い昔の出来事だ、故に断じてあなたのせいではない。」

怎么会是你的错。是我上一次随军攻打龙巢时的事了。距今已经有许多年,根本不是你的过错。

【阿修羅】

「軍の一員として、竜巣城へ進攻したことがあるのか?しかし、竜巣城は予てより一度向かえば無事に戻れないと言われる危険な地、なのにお前は……」

你曾经随军攻打过龙巢城?可龙巢城多年以来就是有去无回的险地,而你……

【帝釈天】

「私は都の貴族の元に産まれた末子であり、幼き頃より軟弱で無能だった。そのうえ、霊神体は一溜りもない程に脆い。私の能力は何の役にも立たず、此処へ送り込まれる筋合いなどない、そうだろう?」

而我是都城贵族之家的小儿子,从小懦弱无用,灵神体不堪一击。能力更是毫无用途,根本没道理被送来这里,对不对?

【阿修羅】

「違う。俺が言いたいのは、お前はここの惨劇を目撃したにも関わらず、再びここへの進攻に自ら申し出たということだ。お前の過去の苦難を知っていれば、もっと入念に準備していた。」

不。我想说你明明见过这里的惨状,却第二次亲自请命前来。若我提前知道你的难处,定会做足更多准备。

【帝釈天】

「どんなに用意しても、竜巣城の前では無意味だ。私は善見城で衣食住に困らない貴族の子として、何年も呑気に過ごしてきた。貴族の者には兵役の義務がある。徴兵の令が下された時、家族は私を思い出した。軍に入れば必ず戦闘に役立つ能力が開花すると、母親が私を説得したあの時の光景を今も覚えている。だが、それは長男を護るための口実でしかないと私は知っていた。それでも、私は強大な戦士になることに対して強い憧れを抱いていた。

多少准备在龙巢城面前,都不够用。我在善见城平白做了许多年衣食无忧的贵族公子。贵族家都要出兵入伍,到了征兵时,家里想起我来。到现在我还记得母亲如何劝我参军,说一旦入了军中,我的能力定能进化出战斗用途。但我很清楚,这不过是她保住长兄的说辞。可我太向往能成为强大的战士了。

しかし、いざ軍に入れば、私の貧弱な霊神体ではまるで歯が立たなかった。軍の者は貴族出身の私が易々と死ぬことを恐れ、私を後方へと回した。私は霊神体で兵士を支援し、彼らの痛みを分かち合う軍医となった。そんな私は一族の恥だった。私はずっと、最前線で犠牲になることを夢見た。それが叶えばどんなに良かっただろう。残されるのは屈辱ではなく栄光だったはずだ。父と兄は私が見知らぬ土地で戦死することを望んだ。せめて輝かしい名誉を手に入れられるからと。

然而到了军中,我那柔弱的灵神体根本百无一用。他们不敢让贵族出身的我轻易死去,最后把我丢去了后营。我成了一名用灵神体支援士兵,为他们分担痛苦的军医。这样的我根本是家族的耻辱。我一直以为我会牺牲在前线,那样多好,留下的就不会是屈辱而是荣光。父兄他们宁愿我战死他乡,至少能留个光荣的名号。

最終的に、軍は私を一度入れば二度と戻れないと言われる竜巣の要塞へと送り込んだ。私には少しも恐怖を感じなかった。竜巣の要塞に向かったのは、私が知る最も勇猛果敢な戦士達だった。彼らと過ごした日々は、人生の中で一番愉快で心地良いものだった。しかし、彼らが命懸けで戦ったとしても、この地では敗戦が続くばかり。要塞を守ることさえ難しいというのに、竜巣を落とすなど以ての外。そのうえ私は何の役にも立たず、唯一できるのは彼らの痛みを和らげることだけ。

最后军中将我送往了龙巢要塞这有去无回之地,但我却一点也不害怕。龙巢要塞的战士们是我见过最勇猛无畏的。和他们一起,我度过了人生中最为自在的一段日子。然而无论他们如何拼上性命,在这里都只有败仗。连守住这个要塞都是难事,更遑论去对面夺取龙巢。而我却对此无能为力,唯一能做的,无外乎减缓他们的痛苦。

玉醸の悪名が、どこから伝わってきたか分かるか?正にここ、竜巣の要塞からだ。軍医として、こんな物が出てきた時、私は止めなかったばかりか……彼らと共に玉醸を服用し、幻想で自分を麻痺させて、苦しみから目を背けた。その結果、全軍の霊神体は無効化され、戦闘不能となった。私のせいで、彼らは夜襲に気づかず、一人残らず息絶えてしまったんだ!あの時だけではない。本日の橋の上での一戦も、私が光明天に献上した策のせいだ。私が兵士達を死へと導いてしまった。光明天が援軍を連れてくると、軽率に信じた私の油断が仇となった。その結果、大軍は全滅した……!よりによって、こんな私が毎回運よく生き延びる……毎回……毎回…………」

你可知道玉酿的恶名是从哪里传出来的吗?就是在这里,在龙巢要塞!身为军医,当这样东西出现时,我不仅没有制止他们……反而与他们一起用虚幻的美梦麻痹自己,逃脱痛苦。最后的结果,是整个军营的灵神体失效,无法迎战……是我使他们遭受夜袭也无知无觉,最后无人生还!不仅是那时,今日桥上一战,也是我向光明天献计。是我将士兵们带来送死,我过分大意,轻信光明天会真会送来援军。结果使大军全军覆没……!然而这样的我,却每一次都侥幸活了下来……每一次……每一次…………

【阿修羅】

「帝釈天。」

帝释天。

帝釈天の目は焦点が合わなくなり、遠くを虚ろに見つめているようで、目の前の阿修羅だけが眼中になかった。これが玉醸の後遺症であると知る阿修羅は、帝釈天に向かって手を差し伸べる。触れられた瞬間、一瞬にして帝釈天の意識が戻り、彼は突然両目を大きく見開いた……

帝释天目光涣散,仿佛盯着虚无缥缈的远处,却唯独不看面前的阿修罗。阿修罗知道这是玉酿的作用,朝着帝释天伸出了手。帝释天终于回过神来。

【帝釈天】

「過去から現在に至るまで、私はずっと無能な人間だった。これ以上あなたの足を引っ張るわけにはいかない。阿修羅、あなたはもう行くべきだ。」

从过去到现在,我一直都是个无用之人,我不能再拖累你。阿修罗,你该走了。

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